奈良県漫遊3日目。

 

奈良から名社を巡りながら南下していきます。

 

まずは、奈良駅から15分の天理へ。

 

<旅の行程>

1日目:奈良

2日目:西ノ京→斑鳩→奈良

3日目:天理→三輪→橿原

4日目:橿原→明日香→五条

 

天理駅からはタクシーで5分程。

 

溢れる緑に包まれた社頭に着きます。

 

「日本書紀」に伊勢の神宮と並び、唯一、"神宮"と表記された日本最古の神社のひとつ。

 

◆石上神宮◆

*読みは"イソノカミジングウ"

 

木漏れ日が生む、神聖なる光と影の美。

 

社叢は奈良県指定天然記念物です。

 

大鳥居

 

扁額には御祭神の名である、"布都御魂大神"が掲げられています。

 

鳥居の周りの砂は円の模様でならされ、その中心に水がまかれていました。

 

鏡池

 

県の天然記念物ワタカ(鯉系の魚)が生息する神池。

 

神杉

 

樹齢350年を数える御神木。

 

境内には「万葉集」にも詠まれた杉が多く茂っていたそうです。

 

 

参道を振り返る。

 

手水舎

 

手水鉢の"布留社"は石上神宮の別称。

 

この脇を進めば、「日本書紀」に記された、三輪山から奈良へ繋がる"山の辺の道"です。

 

廻廊

 

昭和7年(1932)の再建。

 

格式高き白・朱・緑。

 

楼門

(国指定重要文化財)

 

文保2年(1318)の建立。

 

朱の廻廊に挟まれ、その質実剛健さが際立ちます。

 

 

扁額の"萬古猶新"は山縣有朋によるもの。

 

意味は"古いものでも、大切なものは新しさを失わない"だそうです。

 

古社にふさわしいですね。

 

拝殿

(国宝)

<主祭神>

布都御魂大神

*読みは"フツノミタマノオオカミ"

 

古代軍事氏族として君臨した物部氏の氏神で、御祭神は布都御魂剣に宿る神霊。

 

布都御魂剣は出雲の国譲りで使われた神剣で、その後、物部氏の祖神・宇摩志麻遅命が宮中に祀っていたのを、第10代崇神天皇7年(BC88)に当地に遷座されて創建となります。

*読みは"ウマシマジノミコト"

 

布留御魂大神(十種神宝に宿る神霊)、布都斯魂大神(天羽々斬剣に宿る神霊)に加え、宇摩志麻治命(物部氏の始祖)も配祀されています。

 

桁違いのスケールな由緒。

 

 

拝殿は第72代白河天皇が永保元年(1081)に寄進したもので、現存する国内最古の拝殿建築。

 

 

かつては御本殿が無く、後方の禁足地を御本地と称して、御祭神が埋斎されていました。

 

明治初期に埋斎されていた御祭神が発掘され、大正2年(1913)に御本殿が建立されました。

 

 

隅から拝殿・廻廊・楼門を望む。

 

出雲建雄神社拝殿

(国宝)

 

当地の南にあった内山永久寺の鎮守社・住吉社の旧拝殿で、大正3年(1914)に移築されました。

 

保延3年(1137)の築造で、1間分を土間の通路とした割拝殿様式。

 

社殿も移築され、出雲建雄神社となりました。

 

出雲建雄神社

(御祭神:出雲建雄神)

 

御祭神は草薙剣の荒魂。

 

神剣に物部氏と、古代の"戦"の匂いがする由緒。

 

そんな無骨な歴史も今は昔、境内は清々しく神々しい空気に充たされていました。

 

 

眷属とされる鶏。

 

境内には30羽程の烏骨鶏、東天紅が放し飼いにされていて、その小高い鳴き声が響き渡ります。

 

 

凛々しい。

 

 

帰りは徒歩で駅に向かいます。

 

恵比寿神社

(御祭神:事代主神)

 

江戸時代創建の境外摂社。

 

御朱印

 

右が通常版、左が限定の七支刀(国宝)版。

 

七支刀の盃

 

古代の息吹を感じる盃。

 

家にたまたまあった鶏の文鎮と。

 

更に南下して三輪へ向かいます。

 

 

物部氏の祖神を祀る物部神社