薬師寺から北へ真っ直ぐ10分程。

 

誰もが知る、鑑真和上ゆかりの名刹に着きます。

 

◆唐招提寺◆

(世界遺産・国指定史跡)

南大門

*拝観料¥1,000

 

昭和35年(1960)再建の南大門。

 

扁額の"唐招提寺"は孝謙天皇の宸筆。

 

 

門から続く参道。

 

木々に覆われ、穏やかな空気が漂います。

 

金堂

(国宝)

<由緒>

律宗 総本山唐招提寺

創建:天平宝字3年(759)

御本尊:盧舎那仏(国宝)

開山:鑑真

 

創建したのはご存知、鑑真。

 

揚州に産まれ、江南第一の大師と称されました。

 

天宝元年(742)からの12年間で5回の渡日に失敗しますが、天宝勝宝5年(753)、6回目の試みにして遂に、渡日が叶います。

 

その時、齢は既に65歳、視力を失っていましたが、唐招提寺を創建し、東大寺と唐招提寺で5年ずつ過ごし、76歳でここ唐招提寺でその生涯を閉じました。

 

 

現存する唯一の奈良時代建立の金堂。

 

使用檜材が天応元年(782)に伐採された事が判明していて、金堂はその頃の建立と考えられています。

 

 

堂内には、盧舎那坐像・薬師如来立像・千手観音菩薩立像(国宝)が安置され、厳かな天平の仏教世界の雰囲気に満たされています。

 

鼓楼

(国宝)

 

仁治元年(1240)の建立。

 

鑑真和上の仏舎利を奉安していて、"舎利殿"とも呼ばれます。

 

毎年5/19の梵網会(うちわまき)では、縁起物のうちわが楼上から撒かれるそうです。

 

礼堂

(国指定重要文化財)

 

僧坊を弘安6年(1283)に改築したそうです。

 

鼓楼(舎利殿)を礼拝する為の堂宇で、堂内には釈迦如来立像・日供舎利塔(重文)が安置されています。

 

講堂

(国宝)

 

元は平城宮の東朝集殿だった堂宇。

 

天平宝字4年(760)頃に平城宮改修に伴い、移築されました。

 

平城宮の面影をとどめる唯一の建造物です。

 

 

弥勒如来坐像(重文)や持国天・増長天立像(重文)が安置されています。

 

 

金堂と講堂の端から鼓楼を眺める。

 

宝蔵・経蔵

(国宝)

 

手前の経蔵は唐招提寺創建以前、当地が新田部親王邸だった頃からあった米倉を改修したものと伝わり、日本最古の校倉建築。

 

 

宝蔵の脇から奥へ進みます。

 

鑑真和上御廟

 

程なくして、鑑真和上が眠る地に着きます。

 

 

木々と苔が生む静謐な空間。

 

 

見上げれば、光と影の美。

 

 

その奥に古墳の様な御廟があります。

 

1300年近い昔、仏教の教えと戒律を授ける為に、文字通り、命を賭けて海を渡った鑑真和上。

 

異国の地で過ごした最期の10年はどんな日々だったのだろう…苦難を超えて大役を果たし、満たされた日々を送ったのだろうか?

 

 

悠久の時を超え、今もこの地で息づく…

 

開山堂

 

江戸時代、徳川家の御霊殿だった堂宇です。

 

有名な鑑真和上坐像(国宝)の"御身代わり像"が安置されています。

 

御影堂に安置されている鑑真和上坐像は、毎年6月に特別公開されるそうです。

 

 

開山堂から鼓楼を望む。

 

裏手に続く参道を散策してみます。

 

訶梨帝母社

 

訶梨帝母は鬼子母神の事。

*読みは"カリテイモ"

 

 

御影堂から本坊へと続いています。

 

 

西側の参道から戻ります。

 

1300年近い歳月を経て、今も国の宝として記録と記憶に残る名刹と名僧。

 

素晴らしいひと時に感謝。

 

西ノ京を後にして、法隆寺へ向かいます。