藤原氏の氏寺・興福寺から氏神へ。

 

全国1000社の春日系神社の総本社、春日大社にお参りします。

 

◆春日大社◆

(世界遺産・国指定史跡)

一之鳥居

(国指定重要文化財)

 

高さ7.75m、極太な柱が迫力の大鳥居。

 

寛永11年(1638)の再建で、気比神宮、厳島神社と共に、"日本三大木造鳥居"に数えられています。

 

かつて、興福寺との結界を示していたそうです。

 

 

鳥居から社殿まで1.2km程続く、緩やかな坂の参道。

 

境内東の御蓋山を古代から御神体とし、周辺の自然も神域とされてきました。

*読みは"ミカサヤマ"

 

そして、承和8年(841)には、狩猟と伐採が禁じられ、今に至ります。

 

境内の広さは30万坪超にも及びます。

(東京ドーム20個分)

 

祓戸神社・伏鹿手水所

(御祭神:瀬織津比咩神)

 

心身を清め、先に進みます。

 

二之鳥居

 

一層深淵なる空間へ。

 

 

二手に分かれる参道。

 

 

表参道に連なる石灯籠。

 

2000基を超える石灯籠が奉納されていて、それぞれの微妙な違いを探すのも一興。

 

 

瓢箪の装飾が施された石灯籠。

 

着到殿

(国指定重要文化財)

 

勅使の儀式の次第を確認する建物でした。

 

延喜16年(916)の築造です。

 

 

石段と石灯籠の先に現れる楼門。

 

南門

(国指定重要文化財)

 

室町時代初期の建立です。

 

手前の柵のは、雷で落下した扁額を埋納した額塚。

 

出現石と呼ばれる霊石が安置されています。

 

幣殿・舞殿

(国指定重要文化財)

<御祭神>

武甕槌命

経津主命

天児屋根命

比売神

 

四柱を総称して春日神とも呼びます。

 

神護景雲2年(768)、藤原氏が鹿島神宮から武甕槌命を、香取神宮から経津主命を、そして、枚岡神社から天児屋命と比売神を御蓋山の麓に祀り、社殿を建立した事が起源。

 

因みに、これが河内国一の宮・枚岡神社が"元春日"と呼ばれる所以です。

 

幣殿・舞殿は慶安初期(1650〜1652)の建立。

 

右二間が幣殿、左三間が舞殿になっていて、一般の参拝はこちらになります。

 

右手の受付で参拝料を納め、神域の中心へ。

*特別参拝料¥500

 

 

ところで、

 

御祭神の武甕槌命は鹿島神宮から白鹿に乗って降臨したと言われ、以来、鹿が眷属とされました。

 

これが奈良に多くの鹿が生息する由来です。

 

中門・御廊

(国指定重要文化財)

 

慶長18年(1613)の再建。

 

御廊には、徳川綱吉、宇喜多秀家、直江兼続らが奉納した釣灯籠が連なります。

 

後殿御門

 

明治時代以降、閉ざされていた御門。

 

平成19年(2007)から9年掛けて行われた第60次式年造替を機に、開門されました。

 

後殿と呼ばれる、御本殿後ろに広がる小さな庭と末社が拝めます。

 

僅かに御本殿(国宝)の屋根と千木も見えます。

 

内侍殿(移殿)

(国指定重要文化財)

 

室町時代初期の築造。

 

式年造替の際に御祭神を遷す仮殿です。

 

宝庫

(国指定重要文化財)

 

室町時代初期築造、校倉造の神宝庫。

 

この左手、御廊と繋がる建物へ。

 

藤浪之屋

(国指定重要文化財)

 

中では、全ての灯籠が灯される"春日万灯籠神事"の風景が再現されています。

(釣灯籠の数、1000基超)

 

暫し、幽玄の世界に浸る。

 

参拝を終え、幣殿・舞殿脇に戻ります。

 

社頭の大杉

 

高さ25m、樹齢800年の御神木。

 

屋根を貫く幹は槙柏と呼ばれています。

*読みは"イブキ"

 

境内を出て、南に続く参道をゆきます。

 

本宮神社遥拝所

(御祭神:武甕槌命・経津主命・天児屋根命)

 

禁足地になっている御蓋山の山頂に鎮座する本宮の遥拝所です。

 

若宮の大楠

 

樹齢1000年超と言われる御神木。

 

時を超えて漂う息吹に痺れる。

 

若宮

(御祭神:天押雲根命)

(国指定重要文化財)

 

御祭神は天児屋根命と比売神の御子神。

 

春日造の御本殿を間近に拝めます。

 

御朱印

 

南都に広がる壮大なる神域。

 

平安時代、国家鎮護の社として創建され、藤原氏の隆盛と共に全国に広まった春日信仰。

 

巡るべき場所、語るべき事はまだあれど、その歴史の息吹を深く感じるお参りでした。

 

境内南の寺院へ向かいます。