2月下旬の石川県漫遊記事最終回です。
重伝建・加賀橋立に残る船主屋敷。
集落南端に建つ豪壮な屋敷で漫遊〆です。
◆蔵六園(旧酒谷長一郎家住宅)◆
(国登録有形文化財)
*入館料¥400
明治初期、北前船主の酒谷宗七郎の宅として建てられました。
北前船の里資料館(旧酒谷長兵衛邸)と同じく、笏谷石の土台に板塀、赤瓦。
そして、客人を迎える巨木。
オエ
館内に入って驚いたのが、所狭しと展示されている骨董品の数々。
運用費の足しにするとの事で、値札が付いているものは勿論、付いていないものも値段応相談で購入可能だそうです。
事前に知っていれば、ここに旅予算を割きたかった…
オエから座敷が3つ続いています。
いかにも銘木といった風情。
鷹の目にだけ色が入っている欄間装飾。
大聖寺藩14代で最後の藩主・前田利鬯の書です。
*読みは"マエダトシカ"
前田氏の始祖は菅原道真とされている事から、署名は"菅原"姓で書かれています。
その事に触れると、係の方が"博識!博学!"と、随分と興奮されるので、ついでに、"なので、前田家の家紋は梅だし、石川や富山は天神様を祀りますよね?"と加えると、更に興奮w
普通に知られている話だと思うけれど、他県の人が自分達の土地の英雄の事を、その出自も含め認知しているというのは喜ばしい事でしょうね。
(ちょっといい事をした気分)
座敷を振り返る。
牡丹の間
当主の部屋です。
山水画の襖絵の裏はその名の通り、牡丹。
九谷焼の大皿や壺が部屋を彩ります。
藩主御成の部屋
高貴な色合いの壁や、見るからに銘木な床の間の造りに、船主の本気が垣間見られます。
ところで、
館名にある"蔵六"とは、亀の事。
頭と尻尾、両足を甲羅にしまう事から、そう呼ばれるそうです。
座敷の書を残した藩主・前田利鬯が屋敷を訪れた際、庭の手水鉢の下の石が亀に似ている事から、"蔵六園"と名付けそうです。
右手の手水鉢の下の石がその蔵六な石。
奥へ進み蔵を見学します。
土蔵
土蔵内はもはや、九谷焼美術館。
青手の大皿から獅子まで、見応えあり。
これらも購入応相談だというのだから、驚き。
掘り出し骨董品の穴場ですね。
豪商の館につきものな巨大金庫。
部屋という部屋に骨董や箱が置かれています。
亀の剥製までw
屋敷をぐるりと回って、再びオエに戻ります。
喫茶室兼ギャラリー
ゆっくり茶でも頂きながら、係の方と歴史や町並みについて語らいたい気持ちはあれど、バスの時間が迫ってきているので、後ろ髪を引かれながら退館。
またいずれ、そう遠くない日に。
風景を目に、想い出を心に焼き付けて…
バスで加賀温泉駅まで出て、3/16のオープンを間近に控えた構内を通り、北陸本線で金沢へ。
新幹線の待ち時間に〆の肉蕎麦。
能登牛コロッケを添えて。
以上、2月の石川県漫遊でした。
次の漫遊記事は広島県です。
(そして、今週は奈良漫遊に出ます)