漫遊3日目、最終日の始まり。

 

舞台は石川県南端、加賀市大聖寺。

 

福井との県境で、かつて大聖寺藩10万石の城下町として栄えました。

 

<旅の行程>

1日目:金沢

2日目:金沢→羽咋→大聖寺

3日目:大聖寺→加賀橋立

 

寛永16年(1639)、加賀藩代2代藩主・前田利常が隠居する際、三男・利常にこの地を割譲し、大聖寺藩が誕生しました。

 

そんな町並みを巡ります。

 

蘇梁館

*読みは"ソリョウカン"

*入館無料

 

江戸末期〜明治期に財を成した、北前船主・久保彦兵衛の旧宅です。

 

海沿いの北前船主集落・橋立に天保10年(1841)に建てられたもので、平成15年(2003)、現地に主屋が移築復元されました。

 

オエ

 

高い天井と豪壮な梁。

 

樹齢200年超の松が使われています。

 

この梁を蘇らせた事が名の由来です。

 

主屋は大聖寺に移築されましたが、離れは金沢の武家屋敷野村家に移築され、"謁見の間・上段の間"として公開されています。

 

ナカノデイ

 

質素な中にも格の高さを感じる座敷。

 

 

縁起良き亀の釘隠し。

 

 

コスプレ撮影会も開催されるそうです。

 

 

町興しや文化財保護に注力しているNPO法人の方に解説を受け、とても充実した楽しいひと時。

 

町や文化に対する愛溢れる方々でした。

 

震災直後に遠方から訪れ、建物を愛でる姿勢が喜ばれた感じ?

 

館を後にして、藩主の菩提寺へ。

 

実性院

(宗派:曹洞宗)

 

寛文5年(1665)創建、"白萩の寺"としても知られる寺院です。

 

続いて、寺町をゆきます。

 

山ノ下寺院群

 

藩政時代、城下町の守りを担った寺町。

 

通りに7寺1社が連なっています。

 

加賀神明宮

(主祭神:天照大神)

 

養老年間(717〜724)創建と伝わる鎮守社。

 

拝殿は文政7年(1824)の築造です。

 

時習庵(旧堀家住宅)

(国登録有形文化財)

*非公開?

 

明治時代の町家を改修したものです。

 

この隣に最大の見所である"鴻玉荘"があります。

*記事は次回

 

ここから東へ。

 

大聖寺の時鐘堂

 

寛文7年(1667)、大聖寺藩2代目藩主・前田利常により初代時鐘堂が建てられました。

 

その後、昭和初期の大火で焼失、現在の時鐘堂は平成15年(2003)築造の2代目。

 

 

所々に残る目を魅く建築たち。

 

10分程で旧大聖寺川沿いに着きます。

 

江沼神社

(御祭神:菅原道真公・前田利治)

 

宝暦元年(1704)、藩主邸内に建てられた天満神社が起源で、前田氏の祖・菅原道真を祀っています。

 

 

天神様なので、境内には梅。

 

 

石灯籠は震災で被災したのか、倒壊による事故防止で取り壊したか?

 

江沼神社庭園(旧大聖寺藩邸庭園)

(加賀市指定名勝)

 

境内地は旧藩主邸敷地。

 

かなり荒廃…

 

長流亭

(国指定重要文化財)

 

宝永6年(1709)、3代藩主・前田利直が建てた茶室で、文化財保護法施行前は国宝でした。

 

旧大聖寺川を渡って進みます。

 

深田久弥 山の文化館(旧山長織物会社事務所)

(国登録有形文化財)

 

明治43年(1910)に絹織物工場として建てられ、昭和後期まで稼働していました。

 

 

現在は、大聖寺出身の登山家で山の文学者、深田久弥の資料館として使われています。

 

 

深田久弥の資料を始め、その著書「日本百名山」に因んだ山の書籍などが展示されています。

 

 

山と共に生き、登山中に亡くなった偉人。

 

その軌跡を辿り、山を知る素晴さを知る資料館。

 

深田久弥生誕の地

 

深田久弥は明治36年(1903)、印刷業を営む深田屋の長男として生まれました。

 

"日本人は大抵、故郷の山を持っている"

"山を眺めながら育ち、成人して故郷を離れても、その山の姿は心に残っている"

"私の故郷の山は白山であった"

著書「日本百名山」より

 

以上、大聖寺の風景でした。

 

見所はこの倍ほどあるので、次回はもっと時間を取って巡ってみたいものです。

 

次回、

 

大聖寺が誇る名建築の記事を送ります。