4月の鎌倉詣。
鎌倉駅西口から今小路をゆきます。
鶴岡八幡宮の参道である若宮大路と並行した街道で、今ではリノベ店舗が連なっています。
店舗も疎らになると、その先に山門が見えてきます。
◆寿福寺◆
(国指定史跡)
山門
その美しい参道で知られる名刹です。
石畳が織り成す美。
静かに揺らぐ木立の枝葉。
苔に覆われた水路。
それらが訪れる者を静かに招き入れます。
静寂な春の昼下がり、心を鎮めてお参り。
<由緒>
臨済宗建長寺派 亀谷山寿福寺
創建:正治2年(1200)
御本尊:釈迦如来
開基:北条政子
開山:栄西
寺格:鎌倉五山第三位
源頼朝の菩提を弔う為、北条政子が栄西を招き創建しました。
裏山の墓地には、北条政子と源実朝の墓と伝わる五輪塔があり、公開もされています。
ただ、中門から先は非公開です。
参道を振り返る。
再び今小路を進みます。
ほどなくして、惣門が見えてきます。
◆英勝寺◆
惣門
ここ英勝寺は徳川家ゆかりの寺院で、鎌倉に残る唯一の尼寺。
通用門
*拝観料¥300
惣門は閉ざされている為、出入は境内裏手の通用門から。
花と緑、春萌えの境内。
鐘楼
(国指定重要文化財)
寛永20年(1643)築造、鎌倉唯一の袴腰様式の鐘楼です。
右手に見えるのが惣門。
山門
(国指定重要文化財)
寛永20年(1643)、徳川光圀の兄・松平頼重の寄進。
扁額は後水尾上皇による宸筆です。
鎌倉らしい造形美。
徳川家ゆかりの寺院だけあって、三つ葉葵の紋が使われています。
山門から望む。
仏殿
(国指定重要文化財)
<由緒>
浄土宗 東光山英勝寺
創建:寛永13年(1636)
御本尊:阿弥陀三尊
開基:英勝院
徳川家康の側室・お勝の方(後の英勝院)が、3代将軍・徳川家光に先祖の太田道灌の邸宅跡地を与えられ、寛永13年(1636)に創建をした尼寺です。
代々、水戸徳川家の姫が住職を務め、"水戸御殿"とも称されました。
御本尊の阿弥陀如来像は徳川家光の寄進。
英勝寺のお気に入りポイント、扉の蝉の装飾。
殺生をしない生き物であり、仏教には、"蝉は夏に地中からこの世に出て夏の間に死んでしまう為、春や秋を知らず、実は夏も知らない"という教えがあったりと、仏の道に身近な虫、蝉。
仏殿の蛙股には十二支の装飾。
我が干支、牛。
祠堂門(唐門)
(国指定重要文化財)
英勝院を祀るお堂へ続く門です。
小振りながら、見事な装飾が施されています。
祠堂
(国指定重要文化財)
覆屋の中には、徳川光圀が建立した英勝院の位牌を祀る、煌びやかなお堂が鎮座しています。
春色の饗宴。
名物の白藤はまだまだといった感じでした。
竹の伸び盛る春。
春から初夏への移り変わりを感じるお参りでした。
次回、海蔵寺の風景を送ります。
英勝寺@2023.2
英勝寺@2015.5