漫遊の舞台は千曲市から上田市へ。

 

上田市は長野市・松本市に次ぐ規模の都市。

 

中世には真田氏が本拠地とし、古代には国府も置かれた、古代信濃国の中心だった地域。

 

そんな上田市の国分寺へお参り。

 

<旅の行程>

1日目:稲荷山→坂城→信濃国分寺→海野宿→小諸

2日目:小諸→(酒蔵巡り)佐久〜上田

3日目:(酒蔵巡り)上田〜松本

 

信濃国分寺駅から徒歩すぐ、街道沿いに仁王門が建っています。

 

◆信濃国分寺◆

仁王門

 

奈良時代、各地に建立された国分寺。

 

信濃国の国分寺は上田市に建立されました。

 

その後継寺院が現在の信濃国分寺。

 

 

仁王門を抜け、坂道を上ります。

 

その先には歴史と風格漂う境内。

 

 

観音堂

 

百体観音像が安置されています。

 

また、堂内には元三大師(角大師)の小堂もあります。

 

地蔵堂

 

地蔵尊と閻魔十王が安置されています。

 

三重塔

(国指定重要文化財)

 

室町時代中期の建立と推定される旧国宝。

 

 

初層に大日如来坐像が安置されています。

 

秀麗な屋根の反りに魅入る。

 

鐘楼

 

享和元年(1801)の建立です。

 

石造多宝塔

(上田市指定有形文化財)

 

鎌倉時代末期のもの。

 

 

善光寺と同じく、堂宇前に回向柱。

 

いかにも長野らしい風景ですね。

 

御本堂(薬師堂)

(長野県宝)

<由緒>

天台宗 信濃国分寺

創建:奈良時代

御本尊:薬師如来

 

天平13年(741)、聖武天皇の”国分寺建立の詔”により、東大寺を頂点として各国に建てられた国分寺。

 

江戸時代、信濃国分寺は浄瑠璃山真言院国分寺と号していたそうです。

 

 

現在の御本堂は万延元年(1860)の建立。

 

善光寺同様、裳階(庇)により屋根が二層に見えます。

 

 

御本堂は八日堂とも呼ばれています。

 

毎年、1/7〜8に八日堂縁日が開催され、蘇民将来の護符が頒布されます。

 

 

長野県下最大級の大きさを誇る御本堂。

 

 

参道を振り返る。

 

 

横から見ると、まるで動く要塞の様。

 

大黒天堂

 

大正13年(1924)の再建です。

 

 

御本堂の裏手に広がる蓮田。

 

蓮田

 

お参りを済ませ、街道を挟んで向かいの資料館へ寄ります。

 

信濃国分寺資料館

*入館料¥250

 

元の信濃国分寺が建っていた跡地に作られた資料館で、上田地方の歴史資料が展示されています。

*展示室内撮影禁止

 

 

ロビーには、八日堂縁日で頒布される蘇民将来の護符が展示されています。

 

欲しい….

 

信濃国分寺跡

(国指定史跡)

 

ところで、

 

写真の右手にお婆さんとマルチーズが小さく写っているのですが、このマルチーズがこの距離から私をロックオンして、お婆さんを引っ張って私の所まで来たのです。

 

わんこを撫でていたら、"おじいちゃんが飼ってたコなんです"と。

 

そのひと言で察しましたが、"それが、この前亡くなっちゃって…ここに来れば会えるかもねぇって、散歩に連れてきたんですよ"と。

 

私の肩越しにお爺ちゃんの魂が漂っていたのかも?

 

駅へと向かう私をずっと見るわんこ…心の中で、"本当に寂しいのはお婆ちゃんだから、側で悲しみを癒してあげなね"と囁き、手を振ってお別れ。

 

あの日の夜、お婆さんは心に温もりを感じて眠りにつけただろうか。

 

ほんの一瞬、人の人生に足を踏み入れ繋がり、それがお互いの想い出となる。

 

心に染みる想い出をありがとう。

 

寂しさの中にも温かき日々があらんことを。

 

初日最後の目的地へ向かいます。