憧れの宿。
長年、泊まる機会を窺っていた名旅館。
今回の会津漫遊でやっと叶いました。
(全3編で送ります)
<旅の行程>
1日目:会津若松→東山温泉
2日目:会津若松→会津田島
3日目:南会津→檜枝岐→会津田島
4日目:大内宿→会津若松
会津若松の奥座敷、東山温泉へ。
その名を全国に轟かせる名旅館を目の前にして、感慨に浸る。
◆向瀧◆
(国登録有形文化財)
朱色の擬宝珠の橋が雰囲気を醸し出します。
玄関棟から川沿い続く客室棟。
客室棟は明治時代後期の築造です。
斜面に建つ奥の客室棟は昭和初期築造。
赤瓦と入母屋根が生む魅惑的な風景。
玄関棟は大正時代の築造。
天平年間(729〜749)、行基により開湯されたと伝わる東山温泉。
江戸時代、向瀧の前身である狐湯は会津藩の保養所に指定されていました。
そして、明治6年(1873)に平田家に委ねられて今に至ります。
玄関
いざ入館。
名旅館は玄関から引き込まれます。
尚、向瀧は国登録有形文化財の第一号物件。
レトロ電話にレトロソファ。
壁には時代を語る昔写真が掛けられています。
宮内庁指定の皇族御用達の離れを擁し、野口英世や東郷平八郎、伊藤博文といった偉人が訪れました。
玄関棟から階段を下り、客室棟へ。
艶やかな廊下は名旅館の証。
客室棟を繋ぐ廊下は庭園と池に面していて、四季折々の風景を楽しめます。
ただただ四季を感じて、幾度も往復したい。
廊下から階段を上がり2階へ。
階段のカーブが美しい。
館内でお気に入りの場所。
数寄屋風の凝った造り、床の石と置き石風に埋められた木が最高の雰囲気。
左が急勾配な3階直行の階段。
右へ進めば、折り返しで緩やかに上がれる階段があります。
さながら、男坂と女坂。
宿泊中、下から上から幾度も眺めました。
今回予約したのは階段を上がり切った3階。
竹
竹好きとして、まずはここから。
床柱や竿縁、所々に竹を使った造り。
竹が醸す、和の落ち着いた風情。
壁には竹に因んだのか、竹久夢二の書。
襖を閉じると、竹林がそこに。
換気?部分も竹格子で風流。
袖壁には筍と竹の装飾。
一度くり抜いて成形してから、はめ戻していて、その技術とセンスに惚れ惚れします。
部屋風呂も源泉掛け流し。
ひたひたとオーバーフロー。
春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色…
全てを感じてみたい。
大広間
玄関棟の2階に広がる大広間。
格式高き格天井は会津桐の一枚板が使われています。
花頭窓の床の間も寺院の風格。
舞台は総檜造りという豪華さ。
今では再現不可能と言われる大広間。
"東北第一楼"は第4・6代内閣総理大臣を務めた松方正義の書で、その向かいは犬養毅の書。
まさに日本屈指の名旅館の風格。
次回、風呂編を送ります。
=======宿泊情報=======
宿泊代(1泊2食/1人):¥33,380(税サ込)
*公式HP予約
計:¥33,380