古墳、それは古代の権力者の墓。

 

古墳と言えば、大阪の仁徳天皇陵古墳が有名ですが、埼玉にも世界に誇るべき古墳群があります。

 

それは県北部の行田市に。

 

◆埼玉古墳群◆

(国指定特別史跡)

 

案内図を見て分かる通り、大中小の古墳(前方後円墳8基・円墳1基)が田園風景の中に密集しています。

 

特別史跡且つ、日本資産の構成資産で、世界遺産への登録も推進中。

 

そして、この地が埼玉の地名の元です。

 

そんな埼玉イチの名所。

 

 

古墳群に隣接した広場では、北関東の山並みを借景に懐かしの凧揚げの風景。

 

それでは、

 

国内随一の古墳ワールドを巡ります。

 

愛宕山古墳

 

全長53m、古墳群で一番小さい古墳。

 

6世紀前半の築造と推定されています。

 

二子山古墳

 

全長132m、武蔵国最大の前方後円墳。

 

6世紀初めの築造と推定されていますが、本格的発掘調査は行われておらず、その詳細は未だ不明。

 

 

「日本書紀」によれば、武蔵国造がこの地を拠点にしていたと見られていて、これらの古墳群はその国造の墓と考えられています。

 

 

確かに…けど、何だかクスッとしてしまう。

 

ところで、

 

つい先日、二子山古墳が荒らされたそうです。

 

副葬品目当ての墓荒らしと思われますが、昔とは犯罪の質も変わってきた昨今、警備強化は急務ですね。

 

将軍山古墳

 

6世紀後半の古墳で、明治27年(1894)に横穴式石室が発掘されました。

 

将軍山古墳は中に入る事が出来ます。

*観覧料¥200(さきたま史跡博物館共通)

 

 

発掘調査に基づき復元された石室。

 

壁には千葉県富津の房州石が使われていて、古墳時代の交易を知る上でも貴重な史跡です。

 

さきたま史跡の博物館

*観覧料¥200(将軍山古墳共通)

 

出土した副葬品等を展示する博物館です。

 

国宝がずらりと並び、しかも、撮影可。

 

 

中央の白いケースには国宝の金錯銘鉄剣(稲荷山古墳出土鉄剣)が展示されています。

*接写撮影禁止の為、一応、離れた所から撮影

 

百年に一度の大発見と言われたものです。

 

剣には、"この地の君主ヲワケがワカタケル大王(=雄略天皇)に仕えた事を西暦471年、この剣に記す"という内容の銘文が刻まれていて、この銘文が近代の古代史研究の基準になっているとも言われているそうです。

 

画文帯環状乳神獣鑑

(国宝)

 

稲荷山古墳出土の国宝で溢れる館内。

 

大興奮のひと時。

 

勾玉

(国宝)

 

埴輪も負けていません。

 

 

やはり、古墳は上から見たい。

 

 

展望タワーでも建てれば、古墳群をもっと楽しめるし、人気も出ると思うのだけれど…

(近くの古代蓮の里にはあるのだし)

 

興奮覚めやらぬまま古墳巡り再開。

 

登れる古墳へ向かいます。

 

丸墓山古墳

 

直径105mの国内最大の円墳です。

 

古墳へと続く道は、石田三成が忍城の水攻めの際に築いた堤防跡である石田堤。

 

 

高さ19mの頂上からの眺望。

 

ひたすら平坦な埼玉。

 

遠くに見えるのは、日光連山等の北関東の名峰たち。

 

 

周辺の古墳を見下ろす快感。

 

多くの国宝が出土した稲荷山古墳の後方に見えるのは、古代蓮の里の展望タワー。

 

稲荷山古墳

 

5世紀後半の築造と推定されていて、古墳群最古のもの。

 

ここから古代史を揺るがす発見がされたのかと思うと、熱く興奮して寒さも吹っ飛びます。

 

 

稲荷山古墳は端から端まで渡れます。

 

古墳の上で迎える黄昏時。

 

時を超え、古代の夕暮れを妄想…

 

 

丸墓古墳を望む。

 

春には緑と桜に囲まれます。

 

 

素晴らしき古墳群。

 

古墳や古代史好きにはまさに夢の国。

 

もっと認知されるべき史跡。

 

埼玉県よ、この類稀なる国の宝をもっと上手く活用しておくれ。

 

 

時刻は17時。

 

日没と共に古墳群を後に。

 

大宮まで戻り、〆のディナーです。

 

続く。