予定外の寄り道での感動。
それも旅の楽しみ。
そんな出会いが弘前でもありました。
岩木山神社から散策路を進み、りんご畑や林道を抜けて20分程。
藩祖を祀るお社に辿り着きます。
(境内の裏に着くのですが、記事は表から)
◆高照神社◆
一の鳥居
鄙びた鳥居が放つ雰囲気が素晴らしい。
神橋の先に朱の鳥居。
三の鳥居
参道を抜けると、色褪せて鄙びた風情を醸し出す神門が現れます。
随神門
(国指定重要文化財)
文化7年(1810)、9代藩主・津軽寧親による寄進です。
門の先は木々に覆われた空間。
ひと気の無い境内。
けれど、
深く清浄な空気…素晴らしく魅力的。
拝殿
(国指定重要文化財)
<御祭神>
武甕槌神
天児屋根命
経津主神
津軽信政公
津軽為信公
4代藩主・津軽信政の廟所をその起源としていて、正徳2年(1712)に社殿が造営され、以降、津軽氏の崇敬社として厚く加護を受けてきました。
藩祖である津軽為信が藤原姓を名乗った事から、藤原氏の氏神である春日神が祀られています。
岩木山神社の社殿と似た様式の拝殿は、宝暦5年(1755)、7代藩主・津軽信寧の寄進。
朱の社殿に施された色彩豊かな装飾。
戦国を生き抜き、弘前藩10万石を藩政時代を通して統治した津軽氏。
徳川家や皇室とも縁続きとなり、明治時代以降は伯爵の爵位を得ました。
その津軽氏の出自は源氏の系譜である南部久慈氏の一族、大浦氏というのが定説ですが、南部久慈氏から大浦氏に婿入りした藩祖・津軽為信が後に藤原姓を名乗った事から、奥州藤原氏の血筋という説もあり、その出自の真実は謎に包まれています…
境内を振り返る。
中門・御本殿
(国指定重要文化財)
正徳2年(1712)、5代藩主・津軽信寿の寄進。
柿葺屋根が素晴らしい。
杉に囲まれて、荘厳な雰囲気が漂います。
しだれざくら
(弘前市指定天然記念物)
4代藩主・津軽信政が植樹したと伝わる、樹齢300年超の枝垂れ桜。
樹勢も弱り剪定もされ、淋しい姿。
この奥に杉並木の参道が続いています。
その先にひっそり鎮まるのが…
高照神社廟所
(国指定重要文化財)
弘前藩の全盛期を築いた名君と称される、4代藩主・津軽信政の廟所で、死去した宝永7年(1710)の翌年に造営されました。
高岡の森 弘前藩歴史館
令和元年に開館した歴史館。
境内に隣接していて、津軽氏の歴史を知るには絶好の施設ですが、この時はコロナで閉館中。
岩木山神社からの散策路の途中、りんご畑越しに臨む岩木山。
まさに、THE弘前な風景。
ご当地マンホール
旧岩木町のマンホール。
岩木山とりんごに稲穂、町の花・ミチノクコザクラソウの柄。
御朱印
*神社正面の安倍商店で頂けます
今も霊峰の麓から町を見護るお社。
津軽半島の礎を築いた津軽氏。
その聖地に浸ったひと時でした。
時刻は10時半、バスで弘前市街に戻ります。
続く。