宇陀松山の町並みの北側。
宇陀松山城址の西側の麓に、町の鎮守とも言えるお社があります。
◆春日神社(大宇陀春日)◆
荘厳さ漂う鳥居からの風景。
境内には、石造の文化財が幾つかあります。
春日神社水鉢
(宇陀市指定文化財)
元禄6年(1693)に奉納されたものです。
五輪塔地輪
(宇陀市指定文化財)
鎌倉時代の正応4年(1291)に造られた五輪塔を、元禄6年(1693)に塔の地輪部分をくり貫いて水鉢に転用したものです。
城郭の様な石垣の上に鎮座する社殿。
狛犬も勇ましい。
夏の青空と緑…神の息吹を感じる空間。
拝所
<御祭神>
天之児屋根命
武甕槌命
経津主命
比売神
応永12年(1405)、足利義満がこの地を春日大社領として寄進した折、春日大社から分霊を請け創建されたと伝わります。
神門と瑞垣の向こうに御本殿が見えます。
春日大神のお隣には、八幡様。
八幡神社
(御祭神:八幡大神)
石垣が一段低くなっているのが律儀。
阿弥陀堂
神仏習合時代の風景が今も。
境内を振り返る。
古の空気を感じるほんのひと時。
参道を戻ります。
巨木と石垣に囲まれた無骨な参道。
社務所
石垣と木々の参道を抜けると、民家が連なる参道に出ます。
参道の先には石垣の遺構があります。
春日門跡
春日門は16世紀末頃に造られたもので、ここが町人街と武家屋敷の境界だったそうです。
町の北東、宇陀川沿いには、かつての城門が
松山西口関門
(国指定史跡)
かつての大手筋に建つ門。
16世紀末頃の築造と伝わる、城下町に残る唯一の建造物遺構で、"黒門"と呼ばれているそうです。
城下町ならではの、無骨な鎮守社と城の遺構。
予想外の奥深いお参りでした。
続く。