早春長瀞・秩父漫遊の続きです。
宝登山から戻り、宝登山神社の参道途中にある文化財の旧宅へ。
◆旧新井家住宅◆
(国指定重要文化財)
長瀞町内から移築された養蚕農家の住宅で、延享2年(1745)の三峰神社の御祈祷札が残されている事から、江戸時代中期の建築と考えられています。
目を見張るこんもり茅葺。
このふくらみと厚みが堪らない。
軒下の格子が特徴的。
板葺き屋根を石で抑える様式。
雨に強い栗板が使われているそうです。
かつては、秩父地方によく見られた板葺きの養蚕農家も、現存しているのはここだけだそうです。
外にはお手洗い。
明治時代の建築です。
でえどこ
でえどこ"とは台所の意味。
台所としてだけでなく、農産物の加工や貯蔵にも使われました。
土間の模様は敷かれていたむしろの跡。
枠の中に蚕を入れ、繭を作らせます。
ざしき
養蚕の時期、"ざしき"は蚕で埋まるそうです。
天井は竹をあけびの蔓で結んだもの。
そんなかつての風景。
でえ
漢字では"出居"と書くそうです。
応接間として活用されていました。
おくのでえ
奥の居間は畳張り。
うまや
室内に厩があるのも特徴的。
中から表を望む。
敷地内併設の「長瀞町郷土資料館」には、民具や遺跡出土品、機織りの展示がされています。
旧新井家住宅の模型。
屋根の様子がよく窺えますね。
養蚕が盛んだったこの地方には、"秩父銘仙"という伝統的な絹織物があります。
道路からの風景。
ひっそり佇む文化財建築。
より多くの人に知ってもらいたいものです。
続く