高麗川駅から北上。
下車したのは小川町。
(熊谷の南に位置する比企郡の町)
江戸・秩父を結ぶ往還が走っていた事から、宿場町風情を残す、和紙で有名な町。
因みに、今や上場企業である「ヤオコー」や「しまむら」の発祥の地でもあります。
時刻は昼過ぎ、昼食の時間。
駅から徒歩数分、目的の店に到着。
女郎うなぎ 福助
安政2年(1855年)創業の元割烹旅館。
破風の看板には"福助楼"の文字。
一風変わった屋号の由来は…
安政年間の頃、ある町人が吉原で惚れた花魁を見受けして、町に連れ帰ったものの上手くいかず、花魁はこの旅館に身を寄せ、家業を手伝う事となります。
そして、生家に伝わる鰻の蒲焼の秘法を伝え、以来、"女郎うなぎ"となったそうです。
雰囲気抜群。
廊下には年代物の調度品がずらり。
その先には太鼓橋に生簀。
生簀の中の籠には鰻。
(手前のバケツにはどじょう)
旅館時代の共同洗面もそのまま。
案内された広間。
中庭に面した旧風呂場。
タイル張りのレトロ浴槽でした。
鰻の骨をツマミに鰻を待ちます。
うなうな登場。
友人は豚蒲重。
一尾入った"仙元重"を頂きました。
ふっくら関東風にあっさり系のタレ。
味が重くなく、最後まで飽きずにぺろりん。
(女性が伝えた秘法ならでは?)
立派な肝入りの肝吸い。
あっさり鰻に満足々。
かつては"田中屋"という屋号だった模様。
食事を終え、廊下に出ると、看板犬のお出まし。
とても大人しくて、さりげなく側にいてくれる感じのコ。
この後、玄関まで見送ってくれました。
駅前通りは鄙びた昭和ストリート。
通りの気になる風景たち。
細川紙は国指定無形文化財で、ユネスコの無形文化遺産でもあります。
細川紙を含む、周辺で作られる和紙を総称として"小川和紙"と呼ぶそうです。
割烹旅館 二葉
(国登録有形文化財)
創業269年の老舗旅館。
幕末の偉人、山岡鉄舟の要望で当主の八木忠七が考案した"忠七めし"は、"深川めし"等と並び、"日本五大名飯"と言われています。
数寄屋造の本館は昭和8年(1933年)の建築。
その内に泊まってみたい。
通りを振り返る。
実は、この「二葉」、負債が膨らみ清算処理の真っ最中の様子。
経営はそのまま継続中ですが、大変な状況でしょうね…
町のシンボルの再生が成功しますように。
駅前の「二葉」の支店。
こちらは大正12年(1923年)創業。
ご当地マンホール
町の鳥メジロ。
このJR八高線ライン、鰻や鮎、ラーメンの隠れた名店も多く、酒蔵や史跡もあるので、これからも度々訪れてみたいと思います。
次は、寄居町へ向かいます。
続く