歴史ある町には時として、桁外れのお屋敷が遺っていたりします。
そんなお屋敷のひとつがこちら、
「坂野家住宅」です。
国指定重要文化財の豪農の屋敷。
(昭和43年指定)
薬医門(表門)に黒板塀。
本来、薬医門は武家屋敷に設けられるもの。
その薬医門がある事からも、坂野家の格式の高さが窺えます。
坂野家の歴史は500年程昔に遡ると言われ、江戸時代にはこの地方の名主的存在だったそうです。
平成10年に坂野家から常総市に譲渡され、解体修理後、水海道風土博物館として公開されて今に至ります。
屋敷内や周辺は幾多もの映画やドラマ、CMの撮影に使われてきたそうです。
最近だと、某通信会社CMとか。
門をくぐると、主屋が見えてきます。
右手の蔵は米蔵か納屋か。
存在感たっぷりな主屋。
最高の茅葺感。
そして、このL字カーブ。
岩手の曲り家の如く美しい造形美。
式台玄関。
幾層にも重なる美しき茅葺屋根。
暫し立ち尽くし魅入る、幸せなひと時。
正面の入口から中へ。
(拝観料¥300)
広々とした土間。
まずは、奥のTVで解説VTRを拝見。
土間の右手奥はかつて馬屋だったそうです。
帳場と囲炉裏のある風景。
広間を抜けると、座敷が続きます。
一の間から三の間まで座敷が続きます。
一の間。
菊の御紋が彫られた欄間。
当時は坂野家の家紋、蔦の葉の装飾で隠れていたそうです。
菊の御紋は畏れ多いと、隠していたらしい。
反対側は今も蔦の葉が被されています。
豪農家の奢りか誇りか…
内側からの式台玄関。
当時の風景を描いた銅版画。
庭園は林に囲まれていて、美しき静けさで満たされています。
主屋と書院を繋ぐ太鼓渡り廊下。
2階建ての書院へ向かいます。
続く