大川内山散策後半。
鍋島藩窯坂を上がります。
藩窯公園の入口へ。
階段を下りると、トンバイ橋があります。
トンバイとは、窯を作る際に出たレンガの廃材の事。
橋も川の周りも磁器や石で飾られています。
公園からの眺望。
右がとんご岩、中央から左が屏風岩。
山の麓に広がる窯元の里。
所々に見える煙突が風情を演出。
晩秋の風景も美しいのでしょうね。
公園から下りた所にある登り窯。
斜面を登る熱や余熱を利用して、陶磁器を焼きます。
お祭りや陶芸教室で使われているそうです。
天神橋を渡り、藩窯坂へ戻ります。
魯山窯
ここは、私にとって特別な想いのある窯元。
5年前、祖母の形見の壺の窯元を無性に訪ねてみたくなったのですが、分かるのは柿右衛門風の絵柄に、壺の底に書かれた"魯山"の署名だけ。
柿右衛門風=伊万里?と思い調べると、「魯山窯」という窯元がある事が分かりました。
ただ、"魯山"と書く作者は少なくはないだろうし、その署名も、壺とお店の商品画像で筆跡が異なっていて、確証は持てず。
そんな状況でしたが、
2011年の夏、直感を頼りに「魯山窯」に訪れました。
形見の壺と同じ様式の品を見て高鳴る胸…
そして、
お店の方にスマホで撮った壺と署名の写真を見せて、話をしたところ…
「署名も作品も先代のものです」と。
どうりで、筆跡が違うハズ。
先代と祖母、共に亡き二人が、その後継者と孫により繋がった瞬間。
直感だけで、いきなり辿り着けるとは思ってはいませんでした。
店の方も喜んで下さり、手土産まで頂き、例えようの無い達成感(そして、少しの寂しさ)を胸に店を後にしたのでした。
祖母が導いてくれたのだろうか…
そんな感動の再会から5年。
あの時の店員さんはおらず、最初から話をするのも何となく気が引けたので、今回は買い物だけ。
いつの日か、立派な壺でも購入したい。
(焼き物をもっと知ってから)
今回、魯山窯で購入したおちょこ。
今の季節にぴったりな紫陽花柄。
左が5年前に購入した伊万里焼の風鈴。
右は今回、せいらで購入した風鈴。
祖母の形見の壺。
白地に淡い青と赤の絵柄が良い。
気付けば、2時間半が過ぎていました。
時刻は16時。
帰りのバスの時間まで30分程あったので、
「伊万里鍋島焼会館」に寄りました。
ちょうど、「鍋島献上の歩み展」を開催中。
かつて、御用窯として"鍋島"を献上してきた大川内山の伝統を受け継ぎ、平成元年から都道府県などに献上をしているそうです。
昨年、安倍総理に献上されたもの。
今年の献上先は?
そろそろ、里を去る時間。
宿でもあれば、里山の星空や朝を堪能してみたいものです…
近い内にまた必ず。
伊万里駅に戻り、早めの夕飯です。
続く