このところ、休みの度に鎌倉です。
11月最後の日曜。
天気はイマイチ、紅葉もまだまだでしたが、鎌倉に遺る日蓮の軌跡を辿ってみました。
まずは、妙本寺から。
北条氏に滅ぼされた比企氏の館の跡地に建っています。
生き残った一族が菩提を弔ってもらう為に、日蓮に屋敷を献上した事が妙本寺の始まりと伝わります。
総門の先を進み、木々に包まれた参道の手前から脇の小径へ。
ひっそりとした小径を進んで行くと、
行き止まりに蛇苦止堂が鎮座しています。
(ジャクシドウ)
北条氏による火攻めで命を落とした比企能員の娘、讃岐局が蛇に身を変え地中で苦しんでいたところ、日蓮がその怨念を鎮めて成仏させ、蛇苦止明神としてお祀りしました。
比企氏、和田氏、三浦氏といった源氏の有力御家人はみな北条氏に滅ぼされます。
そして、その北条氏も140年後、鎌倉幕府と共に滅亡。
いずれも、地名や史跡にその名が残っていますが、鎌倉が所々で見せるおどろおどろしさは、そんな血の歴史によるものなのかもしれませんね。
参道を戻る途中、ふてぶてしい面構えの猫登場。
甘く喉を鳴らして戯れてきました。
(飛び付いてくる勢いだった 汗)
で、目の前に座り込み。
ついつい、時間を忘れてお付き合い。
後ろ髪引かれながら、妙本寺の境内へ。
御本堂前も二天門前も祖師堂脇も、紅葉はまだ先の模様。
巨大な祖師堂。
妙本寺の総門から脇道に入ってすぐの所にあるのが、常永寺、通称ぼたもち寺です。
龍ノ口刑場に連行される日蓮に、ぼた餅を渡した尼僧の言い伝えが遺るお寺です。
今も龍ノ口法難の9/12には、"ぼたもち供養"が行われ、ぼた餅が振る舞われます。
先に進むと、県道311号に出ます。
そこから10分程行くと、安国論寺に着きます。
門前の銀杏は近年、調子がイマイチな様子。
日蓮が鎌倉における拠点とした地です。
しっとり優しい空気に包まれている境内。
寺務所の方も優しく挨拶をして下さります。
御本堂前のモミジは見頃まであと少し。
右のサザンカは樹齢350年と言われ、市の天然記念物。
日蓮が立正安国論を書いたと伝わる岩窟、"御法窟"の前に建っています。
御本堂です。
自然が美しい安国論寺ですが、お寺を囲む山を巡る事が出来ます。
スタートは熊王殿から。
岩屋にはまる格好で建っています。
日蓮の従者、熊王丸が作ったと伝わる熊王稲荷が祀られています。
ここから急な石段を登って行くと、山の尾根に出ます。
見ての通りの細い山道。
途中の富士見台からは鎌倉の海を一望出来ます。
ここから富士山に向かって、題目を唱えたのだとか。
そのまま尾根を伝って行くと、平和の鐘があります。
今も定刻に鳴らされているそうです。
この先は下りになります。
下った先にある南面窟。
念仏者による焼き討ちから避難した岩窟と伝わっています。
南面窟へ続く、鎌倉ならではの石段。
日蓮の弟子・日朗を火葬にした場所に日朗上人御荼毘所が佇んでいます。
ぐるりと15分程の山巡りでした。
ほっこりな石仏さん。
安国論寺を後にして、妙本寺の前を過ぎ、そのまま八幡宮方面へ行くと、日蓮上人辻説法跡があります。
10月に身延山久遠寺にお参りをしてから、鎌倉の日蓮ゆかりのお寺を巡ってみたいなと思っていました。
他にもゆかりの地は幾つかありますが、今回はここまで。
続きはまた年明けにでも。