順番が逆になりましたが、阿字ヶ浦からの続きです。
国営ひたち海浜公園から、阿字ヶ浦海岸でお腹を満たしてから、
酒列磯前神社にお参りをしました。
*読みは"サカツライソサキジンジャ"
海岸通りの先にある坂道を登って行くと、社頭に着きます。
白い石鳥居が青空に映えます。
そして、鳥居の先の景色が…原生林の異空間。
県指定天然記念物の樹叢の参道です。
海洋の温暖な気候によって生育が促された暖帯性樹叢だそうです。
樹齢300年を超えるヤブツバキやスダジイの古木が参道を囲みます。
鳥のさえずりと、波と風に揺れる音だけの世界。
いにしえの世界にのめり込みます。
スダジイの巨木。
木漏れ日が一層の神々しさを。
300m程歩くと、二の鳥居があります。
この脇に駐車場があるのですが、車で参拝される方々は参道は通らず、この鳥居の脇から境内に入っていました…もったいない。
振り向くと…遥か向こうに、今まで居た世界からの入り口が。
そんな異次元的な気分になります。
石灯篭は震災で倒壊してしまったのか、土台だけになっていました。
鳥居の傍らには末社が並び、水戸斉昭公腰掛けの石や幸運(金運?)の海亀像があります。
宝くじに高額当選された方の奉納だとか。
それでは、お参りに。
青空の下、樹叢に囲まれた社殿。
御祭神は少彦名命。
大国主命と共に国造りをした神様で、酒造や医薬を司り、恵比寿神と習合して漁業の神様としても崇敬されていて、「古事記」には海の彼方から現れた小人神で、大国主命と国造りをした後に常世に去ったと書かれています。
一寸法師のモデルになったとか。
共に語られる大名持命(大国主命)も配祀されています。
神社の近くの海岸に傾斜した岩石群があり、その中の幾つかが逆向きに傾斜していて、それが、"逆列(サカツラ)"の由来で、後に、酒造の御祭神に因んで、"酒列"になったそうです。
1150年程、大洗海岸に二神が降臨して、那珂川を挟んだ対岸の大洗町に大国主命が、ここ磯崎町に少彦名命が祀られました。
神馬舎と海の安全祈願の碇。
神楽殿には神輿と酒樽が並んでいます。
向かいの斎館は旧社務所。
燦々と降り注ぐ春の陽の下、清々しく凛とした境内は、とても居心地が良いです。
破風には、左甚五郎作と伝わるリスとブドウの彫刻があります。
金網で保護されていて、よく見えませんね。
続いて、御本殿へ。
石垣と玉砂利が良いですね。
御本殿の傍らの鎮霊社。
戦没者を祀っています。
空に海に春のそよ風…
訪れた時期が同じだったからかもしれませんが、参道だけでなく、境内も福岡の宗像大社にどこか通じるものがあって、何時間も居られそうなくらいでした。
参道の途中、海への階段も。
御朱印は書き置きです。
大洗と並び、最高の雰囲気を体感出来るお社でした。
茨城日帰り旅の記事はこれでお仕舞い。
明日から二日間、途中だった鎌倉記事を送ります。