AI相場が相場の流れをリードしてます。ここしかないような感じもあります。しかし、相場は常に限界があります。ここだけ、そうは行きません。下記の肥満治療医薬も売上は伸びていますが株価は下がりました。ここの株だけが上がり続ける、いくら革新的な企業が出ようが上がり過ぎたものは下がる。下がり続けるとも言いませんが、波はあるということです。
**2026年10月現在のNovo Nordiskを「なぜ株価が大きく下がったのか」「それでも将来性はあるのか」**という順番で見てみましょう。
まず結論に近いところ
Novo Nordiskは、**会社が悪くなったというより、「市場が急拡大しているのに、Novoがその成長を以前ほど独占できなくなった」**ことが株価下落の大きな理由です。
現在は、
Novo Nordisk
- Wegovy
- Ozempic
- Rybelsus
- Wegovy錠
- Wegovy 7.2mg
- CagriSemaなど次世代薬
Eli Lilly
- Zepbound
- Mounjaro
- 経口薬
- 次世代薬
という激しい競争になっています。
① 市場そのものは、とんでもなく大きくなっている
世界の肥満治療薬市場については、2030年に1,000億~1,500億ドル規模という見方も出ています。
日本円なら、
1ドル150円として15兆~22.5兆円
です。
これは驚異的です。
しかも現在はまだ肥満人口全体から見ると、薬による治療を受けている人は一部です。
② ところがNovo Nordiskの問題は「シェア」
ここが非常に重要です。
以前は、
「肥満薬=Wegovy=Novo Nordisk」
というイメージが非常に強かった。
ところが現在は、Eli LillyのZepboundが猛烈に追い上げています。
さらに9月30日には、Lillyが開発中のEloraTZPについて、Zepboundを上回る体重減少効果を示した中間試験結果を発表しました。
つまり、
市場が15兆円になる
→ Novoが全部取る
ではなく、
15兆円市場をNovo、Lilly、その他が奪い合う
という状況になっています。
③ それでもNovoにはかなり強い材料があります
ここが私は面白いと思います。
Novoは単に「昔のWegovy」に頼っているわけではありません。
Wegovy錠
2026年1月に米国で発売された経口Wegovyは、7月時点で週間処方が26.5万件を超えています。
さらに9月末には、注射薬からWegovy錠に切り替えた患者が3か月で平均4.1%体重減少したというリアルワールドデータも発表されています。
これはかなり重要です。
「注射は嫌だ」という人を新しい市場として取り込めるからです。
Wegovy 7.2mg
さらに高用量のWegovyでは、試験で平均20.7%の体重減少が示されています。
つまりNovoには、
従来Wegovy
↓
Wegovy 7.2mg
↓
Wegovy錠
↓
次世代薬
という商品展開があります。
④ では、なぜ株価がこれほど下がったのか?
市場が心配しているのは主に4つです。
① Lillyとの競争
これが最大級です。
② 薬価の低下
Novo自身も2026年について、競争激化や米国での価格低下などを織り込み、調整後売上高成長率を**0~-6%**としています。
つまり、
「肥満市場が伸びる=Novoの売上も同じように伸びる」
とは限らない。
③ セマグルチドの特許問題
Wegovy、Ozempicなどの主力成分であるセマグルチドについて、2030年代初頭の特許切れが意識されています。
これは巨大な問題です。
だからNovoは次の薬を必死に育てています。
④ 「次の10年」の成長が見えにくくなった
Novoは9月のCapital Markets Dayで、
- 2030年までに5つ以上の大型新薬
- 2035年までにパイプラインから1,500億DKK超の売上
- 2030年に世界で6,000万人超の患者
- 経口GLP-1について現在の10倍の患者に対応できる生産能力