緩やかな円高への大転換と外人買い
私は今の為替・日本株の動きを見ると、「緩やかな円高への転換」と「外国人の日本株買い」が同時進行する可能性はかなりあると考えています。
特に重要なのは、今回の円高が単なる投機的な円買いではなく、日本の金融政策正常化+米国金利低下方向+円安是正という政策的な流れを伴っていることです。
いま起きていること
9月2日には1ドル=160.39円だったドル円が、9月8日には152.89円まで、わずか5営業日で約7.5円も円高になりました。しかも、この間に日経平均はむしろ上昇しています。
さらに、CFTC統計では9月8日時点で投機筋が円のネットロングに転換しました。2月以来初めてです。これはかなり大きな変化です。
つまり、
円高=日本株安
というこれまでの単純な図式が崩れ始めています。
私が注目している「外国人買い」の構図
ここが非常に重要です。
外国人投資家から見ると、
円安の日本株を買う
↓
円高になる
↓
日本株の円建て価値+為替差益
↓
日本株投資の魅力が上昇
となります。
特にドル円が160円→150円程度になってくると、「円安だから日本株を買う」という投資から、「円が安すぎるから日本株と円を買う」という投資に変わる可能性があります。
実際、外国人は日本国債にもかなり強い買いを入れており、過去6カ月で日本の固定金利証券を17.9兆円購入したとの報道もあります。
では、日本株はどうなるか
私は今後、
円高+日本株高
という組み合わせが十分あり得ると思っています。
ただし、全部の銘柄が上がるわけではありません。
有利になりやすい
- 銀行
- 保険
- 内需
- 不動産
- 通信
- IT・DX
- 防衛
- 電力・インフラ
- 高ROE企業
- 株主還元の強い企業
逆に、
- 自動車
- 電機輸出企業
- 輸出比率の非常に高い企業
には円高が利益面で逆風になります
日本製鉄、任天堂、日立、キヤノン、ソニー、NEC、3Dマトリックス、NTT
このポートフォリオは、実は**「円高転換」にかなり対応しやすい形**になっています。
特に、
◎ NTT
円高の影響が比較的小さく、国内通信という安定収益。
◎ 3Dマトリックス
為替よりも、米国でのPuraStat普及拡大が株価の最大材料。
したがって円高そのものより、米国売上拡大のほうが重要です。
◎ NEC
国内IT・防衛・社会インフラなど、円高局面でも評価されやすい分野があります。
○ 日立
海外比率は高いものの、単純な輸出企業ではなく、デジタル・インフラ・サービス型への転換が進んでいるため、昔ほど「円高=悪」とは言い切れません。
○ ソニー
為替影響はありますが、ゲーム・音楽・映画・金融など事業分散が効いています。
△ 任天堂
海外売上が大きいため円高は利益換算では逆風。ただし、コンテンツ力が強く、為替だけで評価される会社ではありません。
△ 日本製鉄
これは少し性格が違います。
円高そのものより、国内鉄鋼需要・米国事業・USスチール関連・鉄鋼市況のほうが重要でしょう。
そして私は「円高のスピード」が一番重要だと思います
例えば、
160円 → 150円 → 145円
と2~3年かけて緩やかに進むなら、これは日本株にとって必ずしも悪くありません。
むしろ、
円安修正
↓
実質賃金改善
↓
消費回復
↓
国内金利上昇
↓
銀行・保険・内需株上昇
↓
外国人が日本株を再評価
という好循環になる可能性があります。
現在の円高が日本銀行の正常化観測などを背景に進んでいる点も重要です。9月8日の152円台までの円高を「相場の転換点」として注目します。
私が今後注目するシナリオ
160円
↓
155円
↓
150円
↓
145円
↓
140円
と「緩やかに」進むなら、私はむしろ日本株には強気です。
そしてこの場合、日経平均を押し上げる主役が、
「円安メリット輸出株」から「日本企業そのものの価値を評価する外国人」へ
変わってくる可能性があります。
円高への転換 → 外国人の日本株再評価 → バリュー・大型株買い → TOPIX上昇
という流れは、かなり注意して見ておきたいです。
そしてこのシナリオなら、私は今後 「NTT・NEC・日立・日本製鉄」の4銘柄の動きを特に重要視します。3Dマトリックスは完全に別枠で、為替より米国病院への普及速度を監視する銘柄です。