味の素ビルドアップフィルムの5年後の売り上げ高予想

 

味の素の「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」を、2026年から5年後=2031年ごろとして試算すると、かなり大きな成長余地があります。

ただし、味の素はABF単独の売上高を開示していないため、会社開示のファンクショナルマテリアルズ実績+ABF市場成長率+増産計画から推計します。

結論

私の中心シナリオでは、

ABF売上高

  • 2026年:約1,000~1,100億円
  • 2031年:約1,800~2,200億円
  • 中心値:約2,000億円

つまり、5年間で約2倍になる可能性を見ます。

シナリオ 2026年推定 2031年予想 5年間の伸び
弱気 1,000億円 1,500億円 1.5倍
標準 1,050億円 2,000億円 1.9倍
強気 1,100億円 2,500億円 2.3倍

なぜ2,000億円を狙えるのか

現在かなり面白いのが、AI向け需要の急拡大です。

2026年3月期のファンクショナルマテリアルズは売上高約760億円でしたが、2026年度1Qでは電子材料が非常に強く、ファンクショナルマテリアルズを含むヘルスケア等セグメントの売上高は前年同期比22.8%増。特にファンクショナルマテリアルズは**売上高154%、事業利益177%**と急拡大しています。

そしてABFは、

PC → サーバー → AIサーバー → GPU → AIアクセラレーター → 3D/先端パッケージ

へと1個の半導体に必要な材料量が増えていく構造です。

味の素自身も、2030年に向けてABFの増産投資を約250億円計画しています。

さらに2026年5月には、2032年稼働予定の第3のABF生産拠点を計画すると発表しました。これはかなり重要です。会社自身が「2030年以降の需要増」を見込んでいる証拠だからです。

市場そのものも拡大

ABF市場については調査会社によって数字にかなり幅がありますが、例えばQYResearchでは、

2023年:約5.4億ドル → 2030年:約10.5億ドル

で、ほぼ倍増を予想しています。

一方、AI半導体・ABF基板全体では、2026~2031年に**年率17.65%**という非常に高い成長予想もあります。

ここがポイントです。

ABFそのものの市場成長は10%前後でも、AI向けの高性能ABFはそれ以上に伸びる可能性がある。


さらに面白いのが「利益」

ABFは普通の素材事業とは少し違います。

味の素ファインテクノはABFについて世界シェアが100%近いと説明しています。

また、ファンクショナルマテリアルズ全体では2026年3月期の売上約760億円に対し、事業利益が約800億円とされる資料上の数値もあり、非常に高い収益性を持つ事業です。

※この利益数字は共通費除外等の会社資料上の区分なので、単純なABF営業利益率とは考えない方がいいです。

それでも、

ABF売上2,000億円 × 高い利益率

となれば、味の素全体の利益成長に与えるインパクトはかなり大きくなります。

2031年予想

ABF売上:約2,000億円

さらにAI半導体の成長が想定以上なら、

2,500~3,000億円

まで行く可能性も私は排除しません。

そしてここからが、前に話していた**「光電融合」**との接続です。

味の素は実際に、電気配線と光配線を同一パッケージ内で融合する光電融合パッケージ向け材料の研究開発にも取り組んでいます。

つまり味の素は、

AI半導体 → 高性能パッケージ → ABF → さらに光電融合

という、かなり面白い成長経路に乗っています。