世界でmRNAのパイプラインは何本あるか
あります。ただし、「mRNAのパイプラインが世界で何本あるか」には、数え方によってかなり差があります。
2025年までの臨床試験を網羅的に調べた研究では、ClinicalTrials.govと中国の臨床試験登録を合わせて、mRNA関連の臨床試験が557件確認されています。うち412件がフェーズ0~3の臨床開発で、約91%がmRNAワクチンでした。
一方、「製品候補(パイプライン)」単位で見ると、これよりかなり少なくなります。
世界のmRNAパイプラインの規模感
| 範囲 | おおよその数 |
|---|---|
| mRNA関連の臨床試験 | 約557件 |
| 臨床開発段階のmRNAプログラム | 数百本規模 |
| がん領域のmRNA臨床プログラム | 100本超 |
| 個別化がんワクチン | 約60本 |
| 感染症領域 | 約65本以上 |
| Moderna単独 | 約35プログラム |
特に興味深いのが、2025年に公表された世界のmRNA治療薬パイプライン分析です。がん免疫療法だけで105プログラム、個別化がんワクチンが61プログラムとされています。
そして、今回のModerna/MerckのメラノーマmRNAワクチン成功は、この巨大なパイプラインの中でかなり重要な意味があります。昨日発表された第3相データでは、Keytrudaとの併用で再発・転移リスクを有意に低下させました。
私が注目しているポイント
実は「557本」という数字より、今後承認に近づいているmRNA医薬品が何本あるかのほうが投資では重要です。
特に、
① がんワクチン
② がん免疫療法
③ 感染症ワクチン
④ 希少疾患
⑤ mRNAを使った細胞治療
に分けると、かなり面白い構図になります。
そして、今回のModerna成功によって、「mRNAはCOVIDワクチンだけの技術」という段階から、「がん治療のプラットフォーム」へ評価が変わる可能性があります。