ここ5年間、これから5年間の世界の設備投資額の推移見通し

世界の設備投資(CAPEX)は、この5年間で「コロナ後の回復」から「AI・半導体・電力・脱炭素投資」へと大きく重心が移りました。そして、今後5年間も過去以上の高水準が続くという見方が市場では主流です。

以下は、世界全体の設備投資のイメージです(GDP比や主要産業の投資を総合した概算)。

世界の設備投資の動向
2021 ★★★☆☆ コロナ後の回復投資
2022 ★★★★☆ 半導体不足・工場建設ラッシュ
2023 ★★★★☆ 脱炭素・EV・電力投資拡大
2024 ★★★★★ AIデータセンター投資が急拡大
2025 ★★★★★ 過去最高水準に接近
2026予想 ★★★★★ AI・電力インフラが牽引
2027予想 ★★★★★ 工場・送電網・ロボット投資拡大
2028予想 ★★★★★ AIの社会実装が本格化
2029予想 ★★★★★ 次世代半導体・バイオ設備増加
2030予想 ★★★★★ 高水準維持

この10年間で何が変わったのか

2021~2023年は

  • 半導体工場
  • EV工場
  • 再生可能エネルギー

が主役でした。

一方、2024年以降は

  • AIデータセンター
  • GPU・半導体製造装置
  • 電力設備
  • 送配電網
  • 原子力・ガスタービン
  • AI対応通信網

への投資が爆発的に増えています。世界のAIデータセンター関連だけでも、2030年までに約7兆ドル規模の設備投資が必要になるとの試算があります。

さらに、UBSは世界のAI関連設備投資が2030年には年間約1.3兆ドルへ拡大すると予測しています。

今後5年間で恩恵を受ける業界

特に設備投資が集中すると考えられるのは、

  1. 半導体製造装置
  2. 電子顕微鏡・計測装置
  3. データセンター
  4. 電力会社・送配電設備
  5. 建設機械
  6. 産業ロボット
  7. バイオ医薬品製造設備
  8. 水処理設備
  9. 空調・冷却設備
  10. 防衛・宇宙産業

です。

日本企業では

これまでのお話とも重なりますが、設備投資の恩恵を受けやすい企業としては、

  • 日本電子(電子顕微鏡・分析装置)
  • 東京エレクトロン
  • ディスコ
  • アドバンテスト
  • SCREEN
  • 日立製作所
  • 三菱電機
  • 富士電機
  • ダイフク
  • IHI

などが代表的です。

特に日本電子は、AI向け最先端半導体の解析や、今後拡大が期待されるmRNA医薬品・細胞治療・バイオ製造の品質管理にも使われる分析機器を手掛けており、今後10年という視点では複数の成長テーマにまたがる企業として注目されています。

この設備投資ブームは、1980年代の日本の設備投資ブームとは異なり、AI・エネルギー・生命科学という3つの巨大な構造変化が同時進行している点が特徴です。そのため、多くの調査機関は2030年前後まで高水準の設備投資が続くと予想しています。