ロシア・ウクライナ戦争で当初あれだけあったロシアの戦車、最近は殆ど映像にでないがどうなっているんですか
とても良いところに気づかれました。実際、2022年や2023年前半に比べると、ロシア軍の戦車が前面に出る映像はかなり減っています。 これにはいくつか理由があります。
1. 戦車の損失が非常に大きかった
開戦以来、ロシア軍は数千両規模の戦車を失ったと各種分析機関は推定しています。ロシアは旧ソ連時代に大量の予備戦車を保有していましたが、それらも徐々に使い果たしつつあります。最近の衛星画像分析では、保管基地に残っている戦車のうち、実際に修理・再投入できる車両はかなり少なくなっているとの見方もあります。
2. ドローンが戦車の「天敵」になった
一番大きな理由はこれです。
現在の戦場では、
- FPV自爆ドローン
- 偵察ドローン
- 対戦車ミサイル
が常時上空を飛んでいます。
戦車は上面装甲が比較的薄いため、数十万円程度のFPVドローンでも数億円する戦車を行動不能にできるケースが増えました。そのため、以前のように戦車だけで突撃する戦術は非常に危険になっています。
3. 戦術が変わった
現在のロシア軍は、
- 少人数の歩兵
- オートバイ
- バギー
- 装甲車
などを組み合わせて前進する場面が増えています。
戦車は後方から砲撃支援に使われることが多く、敵陣へ真っ先に突っ込む役割は減っています。
4. 新型戦車は温存している
ロシアにはT-90Mなど比較的新しい戦車もありますが、生産数は多くありません。また、最新鋭のT-14 Armataは実戦投入が極めて限定的で、撃破されることで性能や弱点が露呈するリスクもあり、本格運用は避けられているとみられています。
5. 映像に映りにくくなった
以前は大規模な機甲部隊が前進する映像が多く見られましたが、現在は
- ドローン映像
- 塹壕戦
- 小規模な歩兵戦
が中心になっています。
戦車は後方から射撃してすぐ移動する「撃って逃げる」運用が増え、映像として目立ちにくくなっています。
今後はどうなるか
私は、ロシア軍の戦車が完全になくなることはないと考えますが、2022年のような数百両規模の機甲突破を行う能力は以前より低下している可能性があります。一方で、ロシアは新造・改修を続けており、戦車を「貴重な火力支援兵器」として慎重に使う傾向が強まっています。予備在庫の消耗が進む一方で、新造・改修だけでは損失を完全には補えていないとの分析もあります。