「日本に追加関税」というのは、おそらく米国による対日追加関税の件だと思います。

2026年6月3日時点では、米国通商代表部(USTR)が強制労働対策に関する調査結果を公表し、日本を含む約60の国・地域に対して追加関税を課す案を提示しました。報道によると、日本には12.5%の追加関税案が示されています。

ただし、この関税はまだ確定ではありません

  • 7月上旬まで意見募集
  • 公聴会を実施
  • その後に最終判断

という手続きが予定されています。

一方で、日本と米国は2025年に貿易協定を結んでおり、日本からの輸入品に対する基本関税率は15%とされています。日本政府はこの既存合意の維持を求めています。

投資家の視点では、もし追加関税が実施されれば、

  • 自動車
  • 自動車部品
  • 機械
  • 電子部品

など米国向け輸出比率の高い企業に影響が出る可能性があります。特に日本株では輸出関連銘柄への警戒感が強まる材料になり得ます。


「日本電子(6951)やソフトバンクグループへの影響はあるのか」
という観点で詳しく見てみましょう。

 

今回の「日本への追加関税案」がそのまま実施された場合、ユーザーさんがよく注目されている銘柄では影響度にかなり差があります。

① 日本電子(6951)

最も気になる銘柄だと思います。

日本電子は電子顕微鏡や半導体・材料分析装置を世界に販売しており、米国市場も重要です。

ただし、

  • 顧客は大学・研究機関・半導体メーカー
  • 装置は高付加価値で代替が少ない
  • AI向け半導体投資の恩恵を受ける

という特徴があります。

そのため短期的には関税ニュースで株価が売られる可能性がありますが、事業そのものへの打撃は自動車メーカーほど大きくないと考えられます。半導体設備や先端分析機器の需要は依然として強い状況です。

**私なら影響度は「中程度」**と見ます。


② ソフトバンクグループ

ソフトバンクグループは輸出企業ではありません。

むしろ、

  • AI投資
  • OpenAI関連
  • 半導体設計企業
  • 海外スタートアップ投資

が価値の源泉です。

したがって対日関税そのものの直接影響は限定的です。

ただし、

  • 米国景気減速
  • 金利上昇
  • 株式市場のリスクオフ

が起きると保有資産の評価額に影響する可能性があります。

**影響度は「小」**です。


③ 味の素

味の素は食品会社ですが、実は半導体材料(ABF基板材料)が重要事業です。

食品部門は関税の影響を受けにくく、

半導体材料も高い競争力があります。

影響度は小~中程度と考えられます。


④ 日立製作所

日立製作所は事業が非常に多角化しています。

  • 鉄道
  • ITサービス
  • デジタル事業
  • 電力インフラ

が中心で、自動車依存は高くありません。

関税問題による世界景気悪化には影響を受けますが、直接打撃は限定的です。

影響度は中程度以下です。


私が気にする順番

もし米国が対日追加関税を本格的に強化するなら、

  1. 自動車メーカー
  2. 自動車部品メーカー
  3. 工作機械メーカー
  4. 半導体製造装置メーカー
  5. 分析機器メーカー

の順で影響が出やすいと思います。日本の輸出の約20%は米国向けで、その中でも自動車関連の比率が大きいためです。

ユーザーさんがよく挙げられる銘柄だけで見ると、

関税問題への耐性は

  1. ソフトバンクグループ
  2. 味の素
  3. 日立製作所
  4. 日本電子

の順で高いと私は考えます。

ただし、日本電子については「関税」よりも、今後3~5年のAI・半導体・先端材料研究投資の拡大の方が株価への影響ははるかに大きいと思います。関税は逆風ですが、長期成長ストーリーを壊すほどではない可能性が高いです。

特に日本電子について、「今後5年でAI時代の勝ち組になれるか」という観点で掘り下げてみましょう。

 

日本電子(日本電子)を「今後5年でAI時代の勝ち組になれるか」という視点で見ると、私はかなり有望だと思います。

理由は、日本電子はAIそのものを作る会社ではなく、AI時代に必要な半導体や新材料を解析するための“目”を提供する会社だからです。

日本電子の強み

日本電子の主力製品である電子顕微鏡や分析装置は、

  • AI半導体
  • HBM(高帯域幅メモリー)
  • 先端パッケージング
  • 新素材開発
  • バイオ医薬品研究

などで不可欠です。会社自身も中期経営計画で「半導体」と「ライフサイエンス」を最重要成長分野に位置付けています。

AIブームとの関係

AIサーバー向け半導体需要は世界的に拡大しており、半導体メーカーは微細化や高性能化を進めています。

半導体が微細になるほど、

  • 欠陥解析
  • 構造解析
  • 材料分析

の重要性が高まります。

そのため電子顕微鏡や分析装置の需要も長期的には増加しやすい構造があります。

追い風になりそうな分野

特に今後伸びそうなのは

  1. AI半導体
  2. HBMメモリー
  3. 量子材料研究
  4. 次世代電池
  5. 創薬・再生医療

です。

これらはすべて「ナノレベルで見る技術」が必要です。日本電子はまさにその分野の世界的プレーヤーです。

ただしリスクもある

一方で、

  • 景気後退による研究設備投資の延期
  • 大学や研究機関の予算削減
  • 半導体市況の一時的悪化

によって受注がぶれることがあります。

実際、2026年には一部市場で電子顕微鏡需要の鈍化が指摘された時期もありました。

私の見方

今後5年というスパンなら、

  • ソフトバンクグループは「AIへの投資家」
  • 日本電子は「AI時代の道具屋」

という位置づけです。

AIブームが続く限り、半導体や材料を解析する装置の需要はなくなりません。

そのため私は、日本電子は「爆発的なテンバガー候補」というより、

世界の研究開発費とAIインフラ投資の増加を着実に取り込むタイプの成長企業

として評価しています。特に株価が業績不安や関税懸念で大きく調整する局面があれば、長期投資家にとっては注目に値する銘柄だと思います。

また、「位高啓史教授のmRNA技術」と結び付けると、日本電子の電子顕微鏡はmRNA医薬やナノ粒子(LNP)の解析にも使われるため、AI・半導体だけでなく次世代医療の発展からも恩恵を受ける可能性があります。こちらも長期的には見逃せない点です。