日本の軍事衛星生産企業は

「日本の軍事(防衛)衛星」に関わる企業として主に知られているところを、いくつか挙げます。ただし、「軍事衛星=全面的にミリタリー用衛星」を作っている企業は限られており、多くは通信衛星や地球観測衛星など民生・防衛兼用で関わっている形が多いです。


主な日本の防衛/軍事衛星関連企業

  1. DSN Corporation(ディー・エス・エヌ)

    • SKY Perfect JSAT、NEC、NTTコミュニケーションズらによる合弁会社。 

    • 防衛省向けのXバンド衛星通信ネットワークを担っており、衛星の製造・運用を請け負っている。 

  2. SKY Perfect JSAT(スカパーJSAT)

    • 衛星通信を手がける大手企業。 

    • 防衛省から、低軌道地球観測衛星データの提供契約を受注。 

    • また、「Xバンド防衛通信衛星」など防衛用途向け衛星通信にも関与。 

  3. IHI(イノハラ重工/IHIコーポレーション)

    • 航空・宇宙・防衛分野を担当。 

    • フィンランドのICEYE(SAR衛星を持つ企業)と提携し、日本国内で合成開口レーダー(SAR)衛星コンステレーションを作る計画。 

    • IHIは衛星製造、自社衛星(CubeSat等)開発の実績も持っている。 

  4. NEC(NECスペースシステムズ)

    • 衛星バス(衛星の本体構造部分)技術を持っており、NEXTARという衛星バスを提供。 

    • NEXTARプラットフォームは、地上観測衛星をはじめ防衛用途でも応用可能性がある(Xバンド通信機能など)。 


「現在防衛省・自衛隊と契約中、または防衛用途の衛星を具体的に開発・計画中の日本企業」の最新(2024–2025年時点)

2024〜2025年時点で、防衛用途(軍事・安全保障)の衛星や衛星通信/観測に関わっている、または防衛省と契約実績がある日本企業・関連ベンチャーを、主なものをまとめます。


2024~2025年時点で防衛省・自衛隊と関わる衛星関連企業

企業 主な防衛/安全保障での衛星関係取り組み
IHI フィンランドのICEYEと契約し、小型SAR衛星を調達。最大24基のSAR衛星コンステレーション構築を目指しており、安全保障用途を想定。 
また、英国 SSTL(Surrey Satellite Technology Ltd)と地球観測コンステレーション構築で協力。 
QPS 研究所(iQPS) 小型SAR(合成開口レーダー)衛星 「QPS-SAR」コンステレーションを計画中。 
防衛省とは「宇宙共通キー技術(オンボード処理+衛星間光通信)」の実証衛星契約あり。
また、QPS研究所は2024年に実証衛星の打ち上げ対応で防衛省関連の大型契約を獲得。 
SKY Perfect JSAT 2025年11月、防衛省向けに低軌道光学衛星が取得した画像データを提供する契約(約 88.5億円)を受注。 
また、衛星通信分野でも防衛用途を視野に入れている。NECなどと共同出資の DSN Corporation を通じたXバンド衛星ネットワークへの関与もある。 
NEC セキュア衛星通信(指揮統制用途など)分野で防衛省との関係が強い。 
また、衛星通信受信装置(アンテナ含む)など、通信インフラに関するプロジェクトがある。 
インフォステラ(Infostella) 衛星地上局サービス(Ground Segment as a Service, GSaaS)を提供。防衛省の「衛星周波数解析技術の実証」案件で契約。 
Space Compass 静止軌道(GEO)間での光通信技術実証を防衛省と契約。 

補足ポイント

  • 衛星コンステレーション構築:防衛省は小型衛星による「衛星コンステレーション(星座)」を重要視しており、これを通じて監視・情報収集能力を強化する方針。 

  • 技術実証フェーズが中心:多くのプロジェクトはまだ「実証(デモ)」段階。特にオンボードデータ処理や衛星間通信(光通信)などの共通キー技術の確立を目指した契約が多い。 

  • 民間+防衛の協業:衛星事業は従来の民間通信や観測用途と防衛用途が重なる部分が大きく、純粋な「軍事専用衛星会社」は少ない。一方、民間企業が防衛ニーズを取り込む形で、用途を拡大させている。