生産の指数は5カ月連続で低下。縮小圏でさらに下げ、2020年5月以来の低水準に落ち込んだ。新規受注の指数も縮小圏にとどまり、15カ月ぶりの低水準。新規輸出受注も縮小が続き、1月以来の低い水準となった。
受注の落ち込みや受注残の低調は引き続き生産への向かい風となっており、製造業セクターの厳しい状況を浮き彫りにしている。ISM製造業の雇用指数は前月から上昇したものの、3カ月連続で縮小を示した。
ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール氏は「8月の指数上昇が在庫の大幅増や入荷遅延の改善に支えられていたことを踏まえれば、今回の統計はさらなる財のディスインフレの可能性を示唆している。意図せざる在庫の積み上がりは、今後数カ月の生産減速につながり得る」と指摘した。
借り入れコストの高止まりや11月の米大統領選挙を巡る不透明感を背景に、設備投資や雇用を控える企業も出てきている。ただ、米金融当局は今月の会合で利下げを開始すると予想されており、それが一定の支えとなる可能性はある。
ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は記者団との電話会見で、「9月に実施されるとみられる金利引き下げが助けになるのは間違いないが、短期的に支えとなるかは定かでない」と指摘。「状況が実際に変わり始めるのは12月か来年1月になってからだろう」と話した。