回答ありがとうございます。
参院選候補者へのキャバユニからの質問
とあわせてご覧ください。


■キャバクラユニオンからのご質問への回答

 まず、皆様の画期的な活動に心から敬意を表します。

 私も、パープル・ユニオンという、セクシュアルハラスメント被害者を支える労働組合の執行委員長として会社側との団体交渉を数多く行ってきましたので、皆様の活動の困難さ、そして、解決した時の喜びを少しは想像できると思っております。皆様の日々の活動で、どんなにたくさんの女性が救われているかわかりません。感謝の気持ちも伝えたいと思います。

 ご質問へのお答えです。

 実際の労働相談をお受けしていると、社会保険の未加入や残業代の不払い、不当解雇、パワハラ・セクハラなどの事件は日常的に発生しているのが分かります。労働現場の無法地帯化は「水商売」に限らず進んでいると考えざるをえません。職場における事業主側の法制度に関する不十分な知識や威嚇的な労務管理は、貧弱な労働行政により野放しにされています。また、労働者側も労働者としての権利について学ぶ機会がないために、職場の「無法地帯化」に無意識のうちに加担させられてしまっている現状があります。

 それらを踏まえると、「水商売」で働く労働者の労働条件の向上(そこに留まらずすべての労働者でもあると思うのですが)には、短期的な取り組みと長期的な取り組みの2つの方向があると考えられます。

 長期的には、中学生の段階で教育機関において、「働く時に知っておくべきこと」=労働時間、時間外手当、休暇、雇用契約書の読み方と書き方、など労働者の権利の基礎教育を義務化することです。学習指導要領に盛り込まなくてはいけないと思っています。お会いする相談者は就業規則が何かをご存じないことも多いのです。

 事業主に対する教育も圧倒的に不足しています。労働基準監督署も十分に機能を果たしているとは思えません。規制緩和の名の下に、労働者を保護する制度は実質的に極めて弱体化しました。国の段階で、働く者を守る制度の再確立が求められています。

 「水商売」においてすぐに効果のある対応を考えると、第一は、実態調査を厚生労働省が行うことです。実態を踏まえて(一部事業者は「請負契約」として取り扱い、雇用された労働者の「強み」を発揮させないように防衛している事例もあるとのことですから)、労働契約を結ぶことの徹底を行政指導すべきです。

 働く皆さんの相談の多くは「法律をきちんと守れば」改善することが多いのです。法律が守られていない労働現場を放置してきた政府の責任は重いです。

 ユニオン、労働組合も少数派すぎる現実がありますが、積極的に相談窓口を設け組織化に取り組み、改善を勝ち取っていきたいと思います。

佐藤かおり
参議院選挙東京選挙区
無所属・共同候補 女性と人権全国ネットワーク共同代表