金融安定化法案が成立してホッとした矢先に、アジアのマーケットは更なる危機を予想して指数が暴落した。金融安定化法はすでに最後の砦でも何でもなく、この1週間の混乱でただのステップの一つとしての認識でしかなくなってしまった。下院が先週月曜日に予想外の否決をして後、金融危機はヨーロッパへと飛び火し、デクシアやフォルティスは国有化され、アメリカ以上に深刻なダメージを与えつつある。問題はアメリカ1国では止めることのできないほどの事態にまで拡大してしまった。
マーケットは、金融安定化法案の$7、000億を、ほとんど効果がないものと見切っているものと思われる。すでに新聞等でも指摘されているように、
1、リバースオークションでは安値で叩き売ることになり、経営陣の想定以上の損失が発生する恐れがある。
2、損失が発生する以上、その損失に耐えられるだけの自己資本の厚みがなければならない。そんな金融機関はほとんどなくなってしまった。
3、となると、増資を行う必要があるが、巨額の投資が可能な引き受け先もほとんどない。オイルマネー、中国などのGSFも今回の株価下落で大損し、そんな余裕もなく、日本の金融機関は投資済み、バフェットもGSとGEで打ち止めの状況では、新たな出し手がいない。
4、RMBS、CDO、CDSなどの時価評価を一時的にペンディングしてくれる特例も作った。
5、不良資産を政府に売れば、報酬は制限され、ワラントも取得される。将来にわたって、政府にうるさく干渉される危険性が高い。
6、したがって、ぎりぎりまで不良資産を抱え込んで、何とか今回の嵐が収まるのをやり過ごそうという誘因が働く。
7、いつまで経っても不良資産の処理は進まない。
8、そうこうしているうちにますます住宅価格が下落し、サブプライムはおろか、オルトA、プライムも不良資産化。景気も減速し貸出債権も不良債券化し、傷口がどんどん大きくなる。
9、危ない金融機関がどこかが誰もわからなくなり、お互いに疑心暗鬼がますます広がる。危ないと噂の立つところには誰も資金を出さないため、ある日突然破綻する。
10、サドンデスが数件発生すると、健全な金融機関にも資金を出さない出し惜しみが連鎖的に発生し、破綻の連鎖となる。
11、金融危機を引き金とする世界的な恐慌に陥る・・・
というシナリオが現実のものとなりつつある。
各国中央銀行連携での資金繰り支援は、確かに当面の危機を乗り切るためには絶対に必要な手ではあるが、あくまでも対処療法であり、抜本的な対策ではない。ヨーロッパでは実質国有化や政府支援による資本増強がいち早く実現しているが、マーケットの目は不良資産ではなく、金融機関自体の自己資本の脆弱性に向いている。その意味では、欧州各国の対策は抜本策と言えよう。
問題はアメリカの状況である。下院での否決も驚きだが、それ以上にアメリカの納税者の反対の声が想像以上に大きいことがより深刻であると考える。経済の中核であり、血液の循環の役割を担う心臓の機能が金融である。金融が病めば企業も個人も資金を借りられなくなり、景気も落ち込み、国民すべて、世界中の人すべてがダメージを受ける危険性が高いことを、もっと広く知らせる必要がある。
その部分が全く理解されていないように思われる。
幸いなことにアメリカは選挙の年である。両大統領候補も、下院議員候補も、そうした状況を丁寧に説明し、理解を得る必要がある。
今回の金融危機に際してはオバマ候補に1票を入れたい。危機に際しては民間では対処できないことが必ずあり、今回の危機はまさにその手腕が試された問題だったと思う。ブッシュ政権の法案であるにもかかわらず、党派を超えて一貫して賛成し、尚且つ上下両院の民主党議員団をまとめた手腕は文句なしの対処であるといってもよい。逆にマケイン候補はディベートの延期提案、与党サイドであるにもかかわらず最終調整時の反旗、採決時には共和党議員団をまとめきることができず、多数の造反を許す始末・・・ 残念ながら危機対応がまるでできていない。このまま政権を握ればフーバー同様、恐慌へと背中を押しかねない危険性が高い。
今回の危機以降世論調査ではオバマ候補が数ポイントリードしているようである、願わくばこのまま本選挙にも勝利し、危機を一刻も早く食い止めてほしいものである。
マーケットは、金融安定化法案の$7、000億を、ほとんど効果がないものと見切っているものと思われる。すでに新聞等でも指摘されているように、
1、リバースオークションでは安値で叩き売ることになり、経営陣の想定以上の損失が発生する恐れがある。
2、損失が発生する以上、その損失に耐えられるだけの自己資本の厚みがなければならない。そんな金融機関はほとんどなくなってしまった。
3、となると、増資を行う必要があるが、巨額の投資が可能な引き受け先もほとんどない。オイルマネー、中国などのGSFも今回の株価下落で大損し、そんな余裕もなく、日本の金融機関は投資済み、バフェットもGSとGEで打ち止めの状況では、新たな出し手がいない。
4、RMBS、CDO、CDSなどの時価評価を一時的にペンディングしてくれる特例も作った。
5、不良資産を政府に売れば、報酬は制限され、ワラントも取得される。将来にわたって、政府にうるさく干渉される危険性が高い。
6、したがって、ぎりぎりまで不良資産を抱え込んで、何とか今回の嵐が収まるのをやり過ごそうという誘因が働く。
7、いつまで経っても不良資産の処理は進まない。
8、そうこうしているうちにますます住宅価格が下落し、サブプライムはおろか、オルトA、プライムも不良資産化。景気も減速し貸出債権も不良債券化し、傷口がどんどん大きくなる。
9、危ない金融機関がどこかが誰もわからなくなり、お互いに疑心暗鬼がますます広がる。危ないと噂の立つところには誰も資金を出さないため、ある日突然破綻する。
10、サドンデスが数件発生すると、健全な金融機関にも資金を出さない出し惜しみが連鎖的に発生し、破綻の連鎖となる。
11、金融危機を引き金とする世界的な恐慌に陥る・・・
というシナリオが現実のものとなりつつある。
各国中央銀行連携での資金繰り支援は、確かに当面の危機を乗り切るためには絶対に必要な手ではあるが、あくまでも対処療法であり、抜本的な対策ではない。ヨーロッパでは実質国有化や政府支援による資本増強がいち早く実現しているが、マーケットの目は不良資産ではなく、金融機関自体の自己資本の脆弱性に向いている。その意味では、欧州各国の対策は抜本策と言えよう。
問題はアメリカの状況である。下院での否決も驚きだが、それ以上にアメリカの納税者の反対の声が想像以上に大きいことがより深刻であると考える。経済の中核であり、血液の循環の役割を担う心臓の機能が金融である。金融が病めば企業も個人も資金を借りられなくなり、景気も落ち込み、国民すべて、世界中の人すべてがダメージを受ける危険性が高いことを、もっと広く知らせる必要がある。
その部分が全く理解されていないように思われる。
幸いなことにアメリカは選挙の年である。両大統領候補も、下院議員候補も、そうした状況を丁寧に説明し、理解を得る必要がある。
今回の金融危機に際してはオバマ候補に1票を入れたい。危機に際しては民間では対処できないことが必ずあり、今回の危機はまさにその手腕が試された問題だったと思う。ブッシュ政権の法案であるにもかかわらず、党派を超えて一貫して賛成し、尚且つ上下両院の民主党議員団をまとめた手腕は文句なしの対処であるといってもよい。逆にマケイン候補はディベートの延期提案、与党サイドであるにもかかわらず最終調整時の反旗、採決時には共和党議員団をまとめきることができず、多数の造反を許す始末・・・ 残念ながら危機対応がまるでできていない。このまま政権を握ればフーバー同様、恐慌へと背中を押しかねない危険性が高い。
今回の危機以降世論調査ではオバマ候補が数ポイントリードしているようである、願わくばこのまま本選挙にも勝利し、危機を一刻も早く食い止めてほしいものである。