5大投資銀行のうち最後まで残っていたゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが、投資銀行から商業銀行に変わることが決まった。29年の大恐慌以来、紆余曲折はあったにしても、投資銀行の、しかも大手がすべて消滅してしまうような再編はなかったが、サブプライムの衝撃は1業種の消滅まで導くほどのインパクトがあった、いや、あるということであろう。
両社とも正確には銀行持株会社になって、その傘下に商業銀行をぶら下げるという手法をとるようである。これによって、傘下の商業銀行では預金の受け入れも可能となるが、最も大きなインセンティブは、FEDからの短期資金の直接借入が可能となることである。下位3社はともにマーケットの売り圧力と資金繰りの窮状によって、破綻ないし吸収に追い込まれてしまった。
政府の不良資産の買取機構の設立の発表によって、一時的にはマーケットも落ち着きを取り戻したようにも見えるが、買い取り価格の算定などの詳細は明確になっていない。不良資産を抱える金融機関は、大幅な損失が見込まれるようなら売りにも出さないであろう。債務超過はもちろん、あくまでも自己資本をあまり毀損しない範囲での処理でなければ、自分で自分の首を絞めることになり、買取はうまく進まないことが予想される。
そうかといって、むやみに買取価格を引き上げれば、税金が投入されるだけに、選挙にも影響する。ブッシュ政権はレームダックで動けず、新政権も決まらず、両候補者も高給取りの金融機関の救済は、投票行動への致命傷にもなりかねない。何とも間の悪いときに狙ったようにクラッシュが発生するものである。
MSは$10近くまで売り込まれた株価を、先週末に何とか$27まで戻したが、当然ながらマーケットも買取機構の問題点はわかっているはずである。空売り規制をかけたとしても、現物株を持つ株主が逃げ出す事態になれば、暴落は止めようがない。また、いつ資金繰りの道が閉ざされるとも限らないため、最後の出し手の庇護に入ったというところであろう。
これで、両社とも資金繰りの目処は当面ついたものと思われるが、今後は大甘のSECの監督下から、厳格なFEDへの監督下へ移行することとなる。傘下に商業銀行を持つ持株会社とて、容赦なく厳格な検査が行われるであろう。また、リスクを大きくとっての自由な投資銀行業務は大幅に制限されることが予想される。リスクに見合った自己資本を厳格な査定に基づき引き当てなければ、FEDがそうしたディールを認めることはありえない。当面の資金繰りの代償は、長期的な高収益モデルの放棄と引き換えになるものと思われる。
MSがこの手段を取ることはいたし方がないとして、GSまで投資銀行を捨てる必要があったのかは、疑問である。株価は下がったものの、まだ$100台はキープしており、それほど問題を抱えているようには見えなかったからである。
しかし、GSもFEDに駆け込まざるを得ないような毀損した資産を大量に抱え込んでいる可能性は捨てきれない。何しろポールソン財務長官は元GSのトップである。潰れる可能性のある古巣を何とか説得してFEDの管理下に送り込んだと考えるのが自然なのではなかろうか。
いずれにしても、歴史ある投資銀行が消えてしまうことは残念で悲しいことである。大手の再編はひとまずこれである程度収束することが予想されるが、今後は中小の金融機関の破綻が数多く続くことであろう。再編の第2幕はワシントン・ミューチュアルであろうか・・・
まだまだ目が離せない。
両社とも正確には銀行持株会社になって、その傘下に商業銀行をぶら下げるという手法をとるようである。これによって、傘下の商業銀行では預金の受け入れも可能となるが、最も大きなインセンティブは、FEDからの短期資金の直接借入が可能となることである。下位3社はともにマーケットの売り圧力と資金繰りの窮状によって、破綻ないし吸収に追い込まれてしまった。
政府の不良資産の買取機構の設立の発表によって、一時的にはマーケットも落ち着きを取り戻したようにも見えるが、買い取り価格の算定などの詳細は明確になっていない。不良資産を抱える金融機関は、大幅な損失が見込まれるようなら売りにも出さないであろう。債務超過はもちろん、あくまでも自己資本をあまり毀損しない範囲での処理でなければ、自分で自分の首を絞めることになり、買取はうまく進まないことが予想される。
そうかといって、むやみに買取価格を引き上げれば、税金が投入されるだけに、選挙にも影響する。ブッシュ政権はレームダックで動けず、新政権も決まらず、両候補者も高給取りの金融機関の救済は、投票行動への致命傷にもなりかねない。何とも間の悪いときに狙ったようにクラッシュが発生するものである。
MSは$10近くまで売り込まれた株価を、先週末に何とか$27まで戻したが、当然ながらマーケットも買取機構の問題点はわかっているはずである。空売り規制をかけたとしても、現物株を持つ株主が逃げ出す事態になれば、暴落は止めようがない。また、いつ資金繰りの道が閉ざされるとも限らないため、最後の出し手の庇護に入ったというところであろう。
これで、両社とも資金繰りの目処は当面ついたものと思われるが、今後は大甘のSECの監督下から、厳格なFEDへの監督下へ移行することとなる。傘下に商業銀行を持つ持株会社とて、容赦なく厳格な検査が行われるであろう。また、リスクを大きくとっての自由な投資銀行業務は大幅に制限されることが予想される。リスクに見合った自己資本を厳格な査定に基づき引き当てなければ、FEDがそうしたディールを認めることはありえない。当面の資金繰りの代償は、長期的な高収益モデルの放棄と引き換えになるものと思われる。
MSがこの手段を取ることはいたし方がないとして、GSまで投資銀行を捨てる必要があったのかは、疑問である。株価は下がったものの、まだ$100台はキープしており、それほど問題を抱えているようには見えなかったからである。
しかし、GSもFEDに駆け込まざるを得ないような毀損した資産を大量に抱え込んでいる可能性は捨てきれない。何しろポールソン財務長官は元GSのトップである。潰れる可能性のある古巣を何とか説得してFEDの管理下に送り込んだと考えるのが自然なのではなかろうか。
いずれにしても、歴史ある投資銀行が消えてしまうことは残念で悲しいことである。大手の再編はひとまずこれである程度収束することが予想されるが、今後は中小の金融機関の破綻が数多く続くことであろう。再編の第2幕はワシントン・ミューチュアルであろうか・・・
まだまだ目が離せない。