『いらっしゃいませ!!』

ココは大阪のミナミにあるclub ROSE。客席も広く大きめな店舗のキャバクラである。
俺は今日からここで働くことになった大学生の村木 祐介、19歳。
時給がいいから始めたバイトだが、少し緊張していた。キャバクラといえば暴力団が経営していて、ケツモチがいるというイメージだったからだ。
開店前。
『おーい!みんな集まってくれ!今日から入ったバイトの村木や!』
メガネをかけたスーツの人がそう声をかけるとみんなが集まってきた。
『俺は店長の大木です。今日は代表はまだ来てないから後で挨拶しといて。じゃあ自己紹介しよか。』
そうメガネの人が言った。
ん?店長?代表?システムが分からないが店長より上の人がいるってことか?(注:キャバクラやホストクラブなどは店舗によるが店長と代表が両方いる場合がある。ちなみに代表は経営者なので店舗では一番偉い。)
『はじめまして。村木祐介と言います!よろしくお願いします!』
『みんなしっかり教えたってな!じゃあ開店準備しよか!とりあえず村木は藤広が教えたって!』
そしてみんな自分の仕事に戻った。
『じゃあ俺が教えるから』
そういって近づいてきた人は標準語で、大きめな体に坊主頭。腕にはタトゥーが入っていた。緊張しながらついていくと、
『まず、今から順序を説明するね。』そういって説明が始まった。
色々説明されたが、全く分からず戸惑っていると、
『じゃあ開店したら一緒に見ていこうか!』
そして開店。
『いらっしゃいませー』
声が聞こえる方に目をやると、さっき集合した中にいた少し年配の先輩がお客様を案内していた。
『よし!じゃあまずはここから説明するね。』

1 案内係(注:店舗の前または入口の中で待ち、お客様が入店されると案内したり、料金について説明したりする。ちなみに店舗の敷地の外で料金について説明すると風営法違反になる。)がお客様を案内する。
2 お客様が席につくと、おしぼりとアイス(注:氷のこと)を出す。
『まず最初の流れはこんな感じだね。』藤広さんが丁寧に説明してくれた。
『あと、キャバクラでは店舗によるけどトレンチ(注:おぼん)の持ち方も決まってるから!こんな感じね。』
そういって藤広さんがやってみせてくれた持ち方は親指、人差し指、小指の三点を使い、その他の指は畳む持ち方だった。後で分かったことだけど、めちゃくちゃ辛い。
そうしているうちに女の子が席に着いた。
『ここから先は次回教えるから今日はトレンチの持ち方と灰皿交換、ミネ(注:キャバクラでは一般にミネラルウォーターのことをミネという)の交換、アイスの交換までを練習して覚えようか。』
『灰皿交換ですか?』
『うん。じゃあ説明するね。』
1 灰皿はどこの店でも大体共通だか、一般的にタバコが2本たまると交換しなければならない。
2 アイスは上から覗きこんで溶け始めると交換しなければならない。
3 ミネは半分を越えた辺りで交換しなければならない。
『ここまでの流れを覚えること今日は接客はしなくていいからトレンチに多めのミネや灰皿、アイスを乗せて歩く練習をしといて。』
そういわれたので練習していたが、さっきも言ったがこれがかなりきつい。三本の指だけで持っている上にアイスやミネはかなり重いのだ。
そうして初日を終えた。

続きは次回更新で。


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