昨日、手術中に気分が悪くなってスクラブアウトした。正確に言えば吐きそうになった。術野を不潔にしてはいけないので手をおろしたのだが、思えば10年以上の外科医生活で術中に自分の体調が原因で手を下ろしたのは初めてのことであった。風邪かインフルエンザか分からなくても、熱が39度あっても朝手術室に入って夕方出てくるまでには治してきたのだが、今回のことはやはり加齢が原因なのだろうか。


土日の日当直がハードすぎてほとんど寝れなかったり、先週データ解析やらプレゼンテーションやらをがんばり過ぎて全体的な寝不足だったことは間違いないだろう。英語のストレスも間違いなくある。


いったん体調を崩すと失う時間や信頼は大きいので、ほどほどに腹八分で休むことも心がけたい。

研究で2年以上手術室を離れていた。


だから今はまだリハビリ中で今後手が動いてくることを祈っている。様々な角度の運針で針が思った点に寸分たがわず出てくること、電気メスやその他の道具の先まで神経が行き届いている感覚、、、少しずつだが戻ってきている。


今日はスキンカットから両側内胸採取まで70-75分、作業のクオリティーもまずまず。本来あるべき50分以内のタイムまであと1ヶ月以内には戻したい。


時間を気にして早く作業することは手術のクオリティーや患者さんの利益にはほとんど関係無いと思っているし時に有害になるとも思う。ただ基本手技を早く作業することは、言葉が通じないアウェイの中では分かりやすいアピールにはなると思う。

大学なので当然なのだが、ものすごく教育とリサーチに力を入れている。毎週1日リサーチの日があって手術室にはresidents/fellows は入ることができないようになっている。この日は7時半から12時半までスタッフからの講義や外部からの招待講演がある。


residents/fellows が交代で抄読会、心臓外科教科書のチャプター要約、症例発表などをすることもあり毎月1回ぐらい自分も発表しなければならない。これが日本で自分がみてきたようないい加減なものではなく、時に1時間半という時間を割り当てられ50枚ぐらいのスライドを発表する。 抄読会や症例発表なら20枚ぐらいのボリュームですむが、スタッフも参加するのでみんなかなり真剣に作り上げてくる。


きわめつけは大抵2-3日前に急にやるように言われる。今回は前日の夜に言われたためほとんど寝る間も無く用意しなければならなかった。。。英語なので彼らの2倍は時間をかけていると思われるのだが。


これだけ準備してもスタッフとの質疑応答になると全くしゃべれなくなる。おそらくゆっくりだとできるのだが通常のテンポでは切り返せない。修行の道はまだまだ長い。