――併し、之はまだ、哲学がイデオロギーでなければならぬ[#「でなければならぬ」に傍点]ということにはなるまい、と人々は云うだろうか。けれども、哲学が一つのイデオロギーであるということは、単純に一つの事実である。ただこの事実の隠蔽と歪曲が、吾々にかくも手数を掛けさせたまでであった。
哲学は、単なる哲学・哲学としての哲学・ではない、それは常に[#「常に」に傍点]――時には顕著に階級イデオロギーとしては時には隠然と――イデオロギーとしての哲学である。
それがギリシアに於てであろうと印度に於てであろうと、其の他どのような土地に於てであろうと、哲学は宗教[#「宗教」に傍点]から発生した。原始的宗教[#「原始的宗教」に傍点]――一文化として特殊化された今日の文明人[#「文明人」に傍点](?)の宗教ではない――原始型宗教[#「原始型宗教」に傍点]は、社会的生活を営む人間の生活意識[#「生活意識」に傍点](人生観)乃至世界観[#「世界観」に傍点]の原始状態に外ならなかった。処で人々は、この原始型宗教的な世界観(乃至生活意識)が社会的制約[#「社会的制約」に傍点]によって歴史的発生[#「歴史的発生」に傍点]をなしたものであることを忘れてはならない。
