前回、個人サイトのSEO ~その1:キーワードの選び方~ をお送りしましたが、
今回はその次にサイトをどう作っていくかを書きたいと思います。
サイトの作り方には、
○コンテンツの作り方
○物理的な構造(ストラクチャ)の作り方
○HTML(XHTML)の書き方
○サイト内リンクの作り方
などがあると思います。
そのひとつひとつを簡単に説明したいと思います。
とは言っても、ここは個人サイトであろうと、企業のサイトであろうと大きな差はありません。
検索エンジンは、ユーザーが欲するであろうサイトを上位に表示できるように研究開発されていますので、
そういった質の高いコンテンツで見やすく、使いやすいサイトを作ることが何よりも大切です。
それに則って、それぞれの要素に分解していきましょう。
例としては、前回同様に
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・個人で旅行情報、特にこれまで行った体験談を提供しているサイトである
・アクセスいろいろな人に見てもらいたいということ以外特に目的はない
・ブログではない
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としたいと思います。
まずは、
○コンテンツの作り方
です。
これは、どんなコンテンツがいいか?ということですが、
基本的にはキーワードをテーマとしたコンテンツを用意する必要があります。
企業サイトと異なり、リンクでなんとかするSEOというのは難しいと思いますので、
ある意味企業サイト以上にどのようなコンテンツを作るかということには気を配る必要があるかもしれません。
前回同様に、競合には旅行会社のサイトがあげられます。
また、最近では大手の旅行系CGMがあり、多数のユーザーに旅行の体験談を書き込んでもらうサービスもあります。
これらの競合がある中で如何にアクセスを稼いでいくかがポイントになります。
これにはまず前回書いた身の丈に合ったキーワードを選ぶということからスタートになりますが、
それを選んだとして、絶対に必要な要素は、
「オリジナルなコンテンツを作る」
ということです。
個人サイトの売りというのはまさにここです。
人から聞いたことや、他のサイトに書いてあったことではなく、
サイト管理者本人がどう感じたか?というリアルな体験談が個人サイトの一番のアピールポイントになります。
これがない、いろいろな情報をまとめたサイトもそれなりに価値があるかもしれませんが、
それがまさに大手のCGMサイトになってしまうと思われます。
似たようなコンテンツがあれば、大型のサイトに目が行ってしまうのが人の常です。
そのサイトにしかない情報があるから訪れる価値が生まれるわけです。
そのような、オリジナルコンテンツは多くのユーザーの役に立ちます。
その結果、その人がブログで別の旅行記を書く際に、参考になったサイトとしてそのオリジナルコンテンツを紹介してくれることは多々あります。
ここで多くの場合はリンクが張られてSEOの効果が生まれます。
いきなり、SMO(Social Media Optimization)の概念になってしまいましたが、
個人サイトの場合は、コンテンツ作りにおいて最も重要な要素だと思います。
そして、コンテンツを書くときには、読み手のことを考えること。
読み手が不快にならない、有益な情報を提供することで、自然とSMOができていきます。
旅行に行くときは(ものを買うときもそうですが)なるべく詳しい情報が欲しいものです。
なるべく多くの情報を記載することでチャンスが広がります。
これはSMOにだけ役立つのではなく、記述が増えれば増えるほど、
テールワードで上位に上がる可能性も高まります。
例えば「ソウル ホテル ウォシュレット」とか、特定の人が欲しくて仕方ない情報を得ようと検索したときに、予想外にその情報を提供できたりするわけです。
もちろん、このようなコンテンツを作るには好きなコンテンツを書いていないとできるものではありません。
そういう意味で、個人サイトというのは本当に書きたいテーマのサイトを行うというのが何より重要ですし、
サイト管理者が作りたいコンテンツを、それを読んでくれる人を意識して書いてあげるのが一番だと思います。
次に、
○物理的な構造(ストラクチャ)の作り方
ですが、これは前回解説した通りなので簡単に。
旅行会社なら
トップで「旅行」
2階層目で「海外旅行」「国内旅行」
3階層目で「アメリカ旅行」「アジア旅行」
4階層目で「中国旅行」「韓国旅行」
5階層目で「上海旅行」「北京旅行」
が理想系となるのと同様に、
物理的な構造と論理的な構造を一致させることです。
例えば
1階層「旅行体験記トップ」
2階層「中国旅行体験記」「パリ旅行体験記」・・・・
3階層「中国旅行体験記 準備編」「中国旅行体験記 出発編」「中国旅行体験記 観光編」・・・
4階層「中国旅行体験記 準備編 航空券購入」「中国旅行体験記 ホテル予約」・・・・
などなど。
こう考えると、だんだんと複合キーワードになっていっていると思います。
「そのページは何がテーマなのか?」
を羅列したときに、上記のようにだんだんと複合語が増えていくのが理想です。
それを物理構造に落としていけばかなり理想的な構造になるのではないでしょうか?
そして、構造というのはフォルダやファイルだけの話に留まりません。
そのページ内の物理構造というのもポイントです。
例えば、上記で「中国旅行体験記 準備編 航空券購入」のページについて考えてみましょう。
そのページは例えば、
「ホテル予約」
├ホテル予約~ネットで
| ├宿泊予約サイトでホテル予約
| ├ホテルのオフィシャルサイトで予約
| ├・・・・・・
|
├ホテル予約~旅行代理店で
├旅行代理店A社でホテル予約
| ├A社のメリット
| ├A社のデメリット
| ├・・・・
├・・・・
ちょっと無理矢理ですが、論理構造と物理構造を合わせるとこんな感じなると思います。
これがそのまま
<h1>ホテル予約」
<h2>ホテル予約~ネットで
<h3>宿泊予約サイトでホテル予約
<h3>ホテルのオフィシャルサイトで予約
<h3>・・・・・・
<h2>ホテル予約~旅行代理店で
<h3>旅行代理店A社でホテル予約
<h4>A社のメリット
<h4>A社のデメリット
<h4>・・・・
<h3>・・・・
という見出しの概念になっていくと思います。
<hx>に関しても、フォルダやページの物理構造がさらに深くなっていったものと捉えるとよいと思います。
なお、この概念は、企業サイトでもまったく同じなので、
これから先に管理者別のストラクチャの作り方を解説するときも、
例が変わるだけで、まったく同じことを解説します(笑)
そして、
○HTML(XHTML)の書き方
です。
これは個人サイトの場合、大きな壁になることが多いと思います。
最近ではブログで気軽に情報発信できるため、わざわざHTMLやXHTMLを書けるようになる必要はないのですが、ブログではない個人サイトでSEOを行いたいのであればある程度のHTML知識は欲しいと思います。
ただ、すべてが欲しいわけではなく、
各タグの意味や使い方を抑えておけば問題ないと思います。
SEOで特に重要なタグは、
title,hxあたりです。
titleはそのページの重要要素を表しますので、
必ずキーワードを入れるようにするのが鉄則です。
最近では、アルゴリズムの特性上キーワードの使用は1回に留めたほうが安全だと思います。
次に、hxですが、先ほどの書いた「見出し」になります。
キーワードを絡めながら徐々に複合語になっていくのが理想と思います。
こちらもひとつのhxには1回程度に留めたほうがいいでしょう。
そのほかにも、いろいろなHTMLのタグがありますが、
個人サイトであればこのあたりを押さえれば十分だと思います。
これは企業サイトなどと競い合わないキーワードで行うことが前提です。
企業サイトがこぞって行うようなキーワードであれば、<p>の使い方やら、<strong>の使い方やらを気にする必要はあると思いますが、
それほど難しくないキーワードであればそこまで神経質になる必要はなく、HTMLタグに気を使うよりも中身の文章に気を使ったり、時間を使ったりしたほうが有益だと思います。
もちろんmeta descriptionなどは、スニペットに表示される可能性があるので記述しておきたいところですが、
ランクを上げるために絶対必要かといわれればそうでもないので、保険くらいに考えておいてもいいかもしれません。
理想を言えば、table構造ではなくCSSレイアウトにするほうがいいですし、いろいろなタグの使い方にも気を使いたいところです。
が、それは個人の能力にもキャリアにもよりますのでここでは言及しないようにします。
SEOに適した記述を紹介した書籍はたくさん出ていますので、それを参考にしたり、
上位表示されているサイトのソースを参考にしたりして、
技術を磨いてみるのもおもしろいとは思います。
挑戦してみたい方は是非挑戦してみてください。
あと、DreamWeaverなどのオーサリングソフトを使う方はなるべく新しいバージョンを使うほうが良いと思います。
古いバージョンではできない、シンプルで検索エンジンにも好まれるソースになりやすいと思いますので、
わざわざHTMLを一生懸命覚えるという時間が最小限になると思います。
もちろんその分、ソフトの機能を覚えるのに時間はかかるのですが・・・。
- Adobe Dreamweaver CS4 (V10.0) 日本語版 Windows版
- ¥41,000
- Amazon.co.jp
さて最後に
○サイト内リンクの張り方
です。
こちらも企業サイトでも個人サイトでも同じことです。
とにかく、ユーザビリティを高めるという意識で、
縦横無尽にサイト内で移動しやすくしてあげることが大切です。
パンくずリンク(パンくずリスト)などによる縦方向のリンクや
グローバルナビゲーション(グローバルリンク)による横方向のリンクなど、
意識的にリンクを増やしてあげてください。
なお、その際の注意点ですが、
・同じアンカーテキストを使う場合はなるべく同じURLへリンクさせる
・同じURLへはなるべく同じアンカーでリンクさせる
・アンカーはリンク先サイトtitleと近しいものとする
ことを意識しましょう。
アンカーテキストにキーワードを無理矢理詰め込んでSEOをしていると思われないためにも、ここは注意しておいて損はないと思います。
もちろん、無理矢理ではなくキーワードを含めることは重要となりますが。
ということで、今回はサイトの作り方をお届けしましたが、
「個人サイト」という観点だけで考えた場合に特殊性があるのは、
コンテンツとHTML記述のところだけだったかもしれません。
あとは大枠大手サイトでも同じですね。
HTMLの記述でサイト構築が嫌になってしまわないように、「ほどほど」にがんばることが大切だと思います。
その分の余力を、オリジナルな質の高いコンテンツを作ることに向けることが重要でしょう。
次回は個人サイト編の最後、リンクのもらい方について考えたいと思います。
【木村 賢】