うちには小鳥がいます。

オカメインコという種類の鳥です。
暗くなると身動きしなくなるので、夜仕事から帰った時に玄関に迎えに来たりはしませんし、鳴き声を発する事もありませんが、明るいうちに帰った時は、思いっきり泣き叫びます。
どうやら、チクショーッ!出せーっ!早く出しやがれってんだこの野郎ー!!って言っているようです。
まるで矢吹丈ですね。

そうです。少年時代の矢吹丈のようにケージの中に入れられているのです。
だから玄関まで迎えにくるはずがないのです。

羽を持ち、本来空を自由に飛び回る事ができる生き物を、金銭にてその生命を手に入れたうえで人間の管理下に置き、部屋の中でしかもオッサンとの生活を強いているのです。それもさらに小さなケージに入れられて。飼い主である人間のエゴという事で…。

と、このような書き方をすると、いかにも残酷な物語のようになってしまいます。
上記の事が事実であることには変わりありません。

ただ、ブリーダーなどの元で産まれた雛は、生後数日で人の手で育てられる事になるようです。
うちのオカメさんは、生後一月後位でうちにきましたが、注射器のようなもので毎日朝晩、その都度作った餌を直接口に与えなければなりませんでした。
人一倍甘えん坊なのか、その状態が約3ヶ月ほど続きましたが、さすがに3ヶ月ともなると、かなり異例なケースらしいです。


ペットとして産まれた雛は餌の取り方など、自然の中での生き方を教えられる事無く育っていきます。また、親鳥も野生ではないので、それを教える事はできないでしょう。
それ故に、不注意で逃がしてしまった小鳥たちは、保護されたり戻ってきたりということもありますが、カラスなどの外敵の格好の餌食になってしまったり、餓死したり、雨風や寒さに耐えられずにしんでしまったりする事も多いのです。
だから、ショップなどにいる小鳥(に限った事ではないですが)などは、よい飼い主さんに迎えられるのが一番よい事だと思っていますので、オッサンとの生活もあながち悲惨な事ではないのではないかと…。

小鳥の飼い主さんには、ご理解頂ける事ではないでしょうか。


さて、オカメインコという鳥は、原産地オーストラリアでは最速の鳥と言われているそうです。
群れで行動するので、取り残されたりするのをとても怖がります。だから、仲間と認識している飼い主の姿が見えなくなるたびに鳴いて呼ぶのです。
出勤時等、決まった時間に出かける場合は何事もありませんが、休日などに、不意に出かけようと服を着替え始めると、絶叫します。賢いでしょ!

寿命は10年から15年位と言われてますが、20数年生きた個体も結構いるようです。そして、小鳥にとっての1日は、人間にとっての一週間に匹敵するとも言われています(どういう根拠なのかはわかりませんが)。
うちのオカメさんは、自分自身を鳥と認識してるのか、人間と思ってるのかは判断しかねるところですが、インコは頭も良く飼い主にとてもよく慣れます。犬と違って、上下関係という意識は無く、皆仲間として対等な付き合いを求めますが、やはり好き嫌いの順番はあるようです。
手に乗って、「撫でてくれ」と頭を下げてる姿はかわいらしいものですよ。



鳥飼い主の十戒というものがあります。犬のそれとかなりよく似たものらしいのですが…

それでは


私は十年かそれ以上生きるでしょう。飼い主と別れるのはとても辛いのです。家につれて帰る前にその事を思い出してください。

あなたが私に望んでいる事を理解する時間をください。

私を信じてください、それが私にとって大切なのです。

長い間、私に対して怒らないでください。長い間閉じ込めたりしないでください。あなたには仕事や楽しみがあり、友達もいます。でも私にはあなたしかいないのです。

私に時々話し掛けてください、あなたの言葉は理解出来なくても、話し掛けてくれればあなたの声はわかります。

あなたが私をどんな風に扱っても私はそれを忘れません。

私を叩く前に、私にはくちばしがあり、あなたの手の骨をたやすく砕くことができるのを思い出してください。でも私は噛みません。

私を頑固者だとか、協力的でない、だらしないと叱る前にそうさせる原因がないか考えてみてください。おそらく適切な食べ物をもらっていないか、ケージにいる時間が長過ぎるのです。

私が年老いても世話をしてください。あなたも年をとるのだから。

私が最後に旅立つときは必ず一緒に居てください。「見てられない」とか「いない時であってほしい」なんか言わないで。あなたがそばにいれば、どんな事でも平気です。
あなたを愛しているのだから。


以上。


悲しい事ですが、小鳥は命がつきるとき、ギリギリまで好きな人が看取ってくれるのを待ってから、息を引き取ります。

鳥飼いの間では、飼われていた鳥が命を落とした後、虹の橋を渡るといわれています。
そしてそこで、飼い主がくるのを待っているそうです。

本当にそうであれば嬉しい限りですね。