ロッドビルディング101 グリップ解体 | Cloud Nine Craft Works

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ノースフォークコンポジットをはじめとするアメリカンブランクを、日本のフィールド向けにカスタマイズしています。

「今持ってるロッドのリールシートを変えたい」

 

ロッドの改造でよくあるリクエストで、実際に挑戦したいというお客様も少なくありません。

しかし、グリップ改造というのは、実はロッドビルディングに作業の中でブッチギリで最高難易度を誇ります。

 

「プロのビルダーは簡単に外せる方法を知ってる」と思ってらっしゃる方も多いのですが、実のところはそうではありません。

 

実際に私も日本橋のサバロさんに聞きに行ったら、ちょうど実際に作業していらして、そこにはコツも何もない、ただ地道な破壊作業しかないということを目の当たりにし、何も聞かずに帰ってきました。

 

今でもリールシート解体は手の皮がムケたり、ペンチで指を挟んだり、ケガが絶えない作業です。

 

なので、テスト段階のプロトタイプは弱い接着剤を少量にして簡単に解体でしるように組んでいます。

 

長くなりましたが、カスタムクラッチでお馴染みのカケズカさんもリールシート解体で苦労されたようで、ブログにその苦戦ぶりを書かれています。

 

「ロッドカスタムの最難関!? ベイトロッドからスピニングにするためにリールシートを削り取る」

https://kakedzukass.com/scrap-off-the-reel-seat/

 

手順や道具は違うものの、私のやり方もほとんど一緒です。

ちなみに私は金ノコとエバーグリーンのEGプライヤーにアルコールトーチでやります。

 

しかし、カケヅカさん。ここでフェンウィックに手を出しちゃったのも運命ですね。笑

ティムコ扱いのフェンウィックは本当にしっかり作られてます。グリップ組みもスレッドワークも本当に丁寧なので、私の「バラしたくないロッドリスト」にバッチリ入ってます。そんなロッドをなんだかんだで綺麗にバラすのは流石です。

 

 

長くなっちゃいました。

それくらいリールシートの解体は「地獄か!」とツッコミたくなるくらい大変な作業で、しかも後戻りできない作業です。

 

という理由で、ロッドビルディングを始める方は、ブランクを購入してスタートすることをオススメします。

 

次回はビルダー視点から見たブランク選びについて書く予定です。

 

自粛期間中に丸一日かけてトライしたラグゼR。ココまでやりましたがビクともしない。お客様の依頼でもないので諦めました。この時は万力、ハンマー、ガスバーナー、パイプレンチなどなど・・・あらゆる工具を使いました。