失業率が安定するためには、少なくとも月23万人程度の非農業部門の新規雇用が必要である。コロナ後は、労働供給の急速な回復(移民の増加、女性の労働力率の上昇など)により、月平均約24万7,000人の新規労働力が追加される(コロナ前は月約13万2,000人)ので、失業率3.5%を維持するためには、月平均約23万1,000人の新規雇用が必要である(231=月あたり新規労働力追加数*(1-失業率)*雇用全体に占める非農業部門雇用者数=24.7*96.5%*97%)。24.7*96.5%*97%)(コロナ前は月約12万3,000人)、失業率4.0%を維持するには月平均約23万人の非農業部門新規雇用が必要となる。

   高金利が経済と金融に及ぼす負のフィードバックに注意。景気予想の上方修正、タームプレミアムの上昇(国債発行の増加、景気やインフレの不透明感の高まりなど)、中立金利の上昇(AI、日銀のYCC調整、一部の国での引き下げなど)、そしてその結果生じる債券市場のパニック(バリュー投資家がレンジの下限で寝かせたり、マージナル投資家が市場に参入するのを阻害する)が、最近の米国債利回りの急騰の主な要因となっている。好調な経済データは金利をさらに上昇させるが、金利の急騰は逆に資産価格を押し下げ、金融引き締めをもたらすため、景気を悪化させ、負のフィードバックを生む。加えて、金利の急激な上昇は短期的には金融システムの脆弱性を高め、「金融リスクは常に予期せぬ時に予期せぬ形で発生する」。急激な金利上昇が経済と金融に及ぼす負のフィードバックに警戒する必要がある。

   米国株式市場の反応を引き続き注視する必要がある。新たに発表された雇用統計を投資家が評価した結果、米国株は下落し、その後上昇した。雇用の増加に加え、給与の伸びの鈍化も示された。つまり、今回の非農業部門雇用者数報告は、株式市場や債券市場を脅かすようなニュースばかりをもたらすものではなく、雇用者数に関しては悪いニュースでもない。

   雇用の伸びは依然トレンドを上回っているものの、賃金上昇圧力はなく、賃金上昇の勢いは着実に鈍化しているため、FRB当局者にとっては安心感となるだろう。

   賃金の伸びが予想外に鈍化したことでインフレ圧力は強まらなかったという朗報を受け、来週発表されるCPIとPPIが市場の焦点となった。来週月曜日は日本株式市場が休場となりますが、引き続きグループ内で投資情報を共有してまいりますので、ご留意ください。