今回のブログは、完全に自慢話になってしまい恐縮ですが、他のブログで紹介している広い範囲での尖がった成果をどうして私が達成し得たのかのベースになっている基礎学力の特徴について、少し気恥ずかしいのですが紹介します。

 

 私の学歴は、国語や社会や英語がさほど得意ではなかったので千葉大学工学部電気工学課なのですが、次の駿台全国模試の成績表が示すように、物理は東大の医学部でも余裕で合格できる全国のトップレベルで数学も東大の理学部や工学部のレベルはクリアしていました。全国模試の成績優秀者の一番上に千葉東高校の名前を出したのは、後にも先にもおそらく私以外にはいないと思います。

 なお、物理の私の得点は60点満点中59点になっていますが、それは誤採点によるもので実際は60点満点だったと考えています。減点された1点は、「大きさが何倍か?」と言う問題に対して、採点では-1倍を正解としていました。私は、方向が逆向きであることは分かっていましたが、大きさは各次元の二乗和の平方根と定義されているので絶対値でありマイナスにはなり得ないため1倍としたところ不正解と採点されたものです。まあ、高校レベルでは大きさがマイナス何倍と言うものなのかもしれないけど、正しくは1倍が正解であると今でも確信しています。

 

 では、どうして物理が得意になったのかと言うと、小学校6年生の頃ラジオのキットを半田付けして作ったことや、友人がハム(アマチュア無線技士)を目指して勉強していると聞いたことがきっかけで、中学に入り13歳の時に私も勉強して資格をとりました。アマチュア無線の試験では、高校の物理で学ぶコンデンサやコイルや数学の基礎知識なども求められます。アマチュア無線の試験そのものは、それほど高度な内容ではないのですが、無線関係の雑誌などには、当時の私には理解できなかった高度な内容のものが載っていました。それをなんとか理解したいと言う具体的な動機が、物理や数学にはあったのです。無線の回路と比べると、高校の数学や物理は全然簡単なレベルなので、その分野のことは一度見聞きしたことはそのまま頭に入る感じで、特に苦労することもなく吸収できました。大学でも、ほとんどの授業は出ずに図書館で教科書を読んで勉強していました。高いレベルの動機は、それだけで学習をとても容易にします。

 反面、興味の対象外の社会や国語などは、特に過去のことである古文や漢文や歴史などは何のために学習するのか全く理解ができずに苦手科目になっていました。そうは言っても、先ほどの成績表の英語や国語や社会の偏差値42~47点は、千葉大の合格ㇾべル程度にはなっています。また、私が通っていた千葉東高校では、総合点でも学年で1番になったこともありました。

 

 そんな感じで、私は、多くのことを記憶することは苦手で好きではなかったのですが、考えることは幾ら時間を費やしても苦痛には感じませんでした。例えば、公式は普通の人は暗記するものでしょうが、私はたいていの公式はいつでも自力で導き出せるので覚えなくても不安はありませんでした。

 

 このスタイルは、大人になってからも変わらず約立っています。私は、仕事では長らく研究開発や設計をしていましたが、知識として学べることは誰か先人がいるからであり、それでは特許も取れないし、開発競争には勝てません。常に、知識としては僅かな基本原理だけを覚えておいて、そこから世の中にないものをひねり出すことにより新しいものは生み出せるのです。また、知識は進歩の激しい業界ではすぐに陳腐化してしまいますが、基本原理や考え方は一生使えるものです。これほど、効率の良いことはありません。したがって、私は、今になっても数学や物理の問題はいつでも解けます。これは、少ない基本的な知識と考えるスキルは、簡単には忘れないからです。学校で習ったことは仕事では約に立たないと良く言われていますが、身につけた考える力は一生とても役にたつとも言えます。

 また、物理(力学,電気など)や数学のハイレベルな難しい試験問題の答えを100%に近い自信をもって満点をとれることと、設計して試作したものがデバッグせずに1回で動くことは、似たようなスキルによることです。設計段階も試験問題も頭の中で正しい構成を構築するという観点では殆ど同じ作業だからです。唯一の違いは、設計の方が試験よりかは時間的には切迫していないことくらいでしょう。つまり、設計のスキルを上げるためには、基礎となる学問の問題を確実に解けるように勉強しておくことが一番の早道でしょう。

 

 今回のブログを、最後まで読んで下さりありがとうございます。当ブログ「未知を既知に 自由研究家 松島千治」では、この他にも様々な研究成果などを紹介しておりますので、ご覧いただけると嬉しいです。

 

 

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以上 2022.12.22