その自転車だけが 理由を語らずにいた早朝の宮町公園に、 水色の小さな自転車がひとつ置かれていた。 補助輪のないその軽さに、 幼い影は重ならず、 ただ、朝の気配だけが そこに立っていた。 親と来たのだろうか。 それとも、 まだ誰も知らぬ時刻の 静かな手が そっと置いたのだろうか。 風もなく、 鳥もまだ声を持たぬなかで、