
第一幕:ひかり、迷いの中で立ち止まる
岡市議からの返信を受け取った夜。
ひかりは机に向かいながら、ふと手を止めた。
「カード型がいいのか、アプリがいいのか…
どっちが正しいんだろう」
そのとき、大学時代に読んだ
“アンプ思想の四象限”の対話篇が頭をよぎった。
金田式、佐久間アンプ、ペルケ、ケンリック。
どれも相いれないのに、どれも支持されていた。
「そうか…政策も同じなんだ」
ひかりの胸に、小さな灯りがともった。
第二幕:四象限の地図が、政策の地図に重なる
ひかりはノートを開き、四象限を書き写した。
• 理論 × 測定可能(金田・ペルケ)
• 体験 × 測定困難(佐久間・ケンリック)
そして、今回の江別の議論に重ねてみた。
✔ アプリ方式
→ 理論・測定可能
→ 開発費、保守費、利用データ…数字で説明できる
✔ カード方式
→ 体験・測定困難
→ 高齢者の使いやすさ、商店街の安心感…数字にしにくい
「どっちも“正しい”んだ…
ただ、価値の置き方が違うだけなんだ」
アンプの世界と同じだった。
第三幕:ひかり、師の言葉を思い出す
大学の助教が言っていた。
──測定できる合理性と、測定できない文化的価値。
社会はその両方でできている。
ひかりは深く息を吸った。
「江別の地域通貨も、
数字だけじゃなくて“暮らしの実感”が大事なんだ」
アプリは便利だ。
でも、スマホを使わない人もいる。
カードは古いようでいて、誰でも使える。
「どちらが優れているかじゃなくて、
どちらが“江別に合うか”なんだ」
その気づきが、ひかりの迷いを溶かしていった。
第四幕:ひかり、行動の意味を理解する
ひかりは岡市議に送ったメッセージを読み返した。
これは単なる情報提供ではない。
ひかりは気づいた。
「私がやっていることは、
四象限の“橋渡し”なんだ」
• 理論(アプリ)
• 体験(カード)
• 測定可能(開発費)
• 測定困難(使いやすさ)
それらをつなぐ“市民の声”こそ、
社会を動かす力になる。
アンプの世界で、
理論派も体験派も共存していたように。
結び:音楽と社会は同じ構造を持っている
ひかりは静かにノートを閉じた。
「音楽再生の奥深さは、
そのまま社会の奥深さを映しているんだ」
金田式も、佐久間アンプも、ケンリックも、ペルケも。
どれも違い、どれも正しい。
江別の地域通貨も同じだ。
アプリもカードも、どちらも価値がある。
だからこそ、
市民の声が“どの価値を選ぶか”を決める。
ひかりはそっとスマホを握りしめた。
「私の一歩が、誰かの未来につながるなら…
それで十分だよね」
雪の降る江別の夜に、
ひかりの決意は静かに深まっていった。