ドラゴンクエストX 天星の英雄たち感想 | ゲームを積む男

ドラゴンクエストX 天星の英雄たち感想

年末だし一応Ver.6.5後期も終わらせているし来年にはVer.7が発売されるんで一旦Ver.6の感想を。



ドラクエ10のVer.6系のストーリーは「天星の英雄たち」と言うサブタイトルとなりドラクエ10の世界であるアストルティアの上空に浮かび上がった「天星郷フォーリオン」を主な舞台としてそこに住む天使たちやその天使たちによって蘇ったアストルティアの英雄たちとの物語が展開された形。



舞台となる天星郷やそれに連なる世界はサービス開始から11年目となり実開発はそれ以上となっているスタッフたちのノウハウの蓄積や初期ハードのWii版が終了した事によるハードウェアベース性能の向上なども相まってかなり綺麗。

劇的にグラフィック性能が底上げされている訳じゃないけれどきれいに見せるノウハウが蓄積されている感じ、Wii版では出来なかった光の処理とかも相まって見栄えがかなり良くなったかな。

天星郷エリアではフィールドをそのままドルボード(作中で乗って移動速度を少し上げられる乗り物)で空を飛ぶ事ができるのも面白くて、過去のバージョンではなかった立体的なマップも多くて探索する楽しさはかなりあったんじゃないかと。



天星郷以外のエリアでもVer.6時代に追加されたマップは見ごたえが多くて楽しい、ただ既存エリア……特にVer.1時代は一部の光の処理以外はそのままなので若干落差を感じる部分もあるかも。

ゲームで一番多く接する事になるバトル関係で言えばVer.5時代ほど大規模な変更はなかったものの手応えもありつつ工夫すれば倒せる難易度に設定されていて面白い。

Ver.6系で追加された「海賊」と「ガーディアン」もこれまでのシステムとは違う部分を感じさせつつも独自のギミックで一味違うバトルが出来たかな。

海賊は主要な武器となる大砲を上手く調整しつつ敵を引き寄せたりするのが楽しいし、上手く集中攻撃を当てられた場合は爽快感もあるわけで。

もう一つのガーディアンは今後につながる「マスタークラス」と呼ばれる上級職になるんだけど仲間を守りながら前線に出る形でこれまでの前衛職の戦い方を活かしつつ別の戦い方が出来るようになったんじゃないかしら。



メインストーリーに関してはVer.5系のラストでこれまでアストルティアに潜む闇の根源と呼ばれる存在との決着が付いた先で、じゃあその闇の根源は何だったのかって部分が描かれており、天使と言う存在やドラクエ10と繋がりが示唆されているドラクエ9の世界なども感じさせる内容となっていたのは面白い部分。



物語の中心となる英雄たちは基本的に良いキャラが揃っていて魅力的、一部で物語序盤の印象が悪いキャラもいたんだけどストーリーが進むごとに内面が掘り下げられて魅力が増していったんだよね。

その一方で天星郷の住人である天使たちは意図的に設定された序盤の印象の悪さが酷くて、もちろんストーリーが進むごとに多少は改善された部分もあるけど大きく払拭させるまでは出来なかった印象もあるかな。

英雄たちの過去の物語を掘り下げる中で演出とかもこれまでのノウハウを活かしつつ新しい演出なども行われており見栄えが良いんだけど、その一方で「過去の物語を追っていく」って部分はVer.4時代の話と似ているのはちょっと気になったかも、とは言え見せ方の違いで差別化は出来たかな。



また、物語における敵役となる存在はその設定からなんかSFっぽい感じになっているのは違和感があったかなぁ、SFっぽい設定は以前にもあったけどその印象が強すぎたと言うか、デザインが似たような感じの敵が多かったおかげで魅力が薄れちゃった印象もあるかな。

ただ、全体的なストーリーは英雄たちのキャラクターの魅力は立っていたしアストルティアの人物たちとの絡みとかも良く出来ていた一報で、天使や敵役の魅力を引き立てきれてなかったのが勿体ない感じもあったり。

賛否両論渦巻いている物語のラストに関しても勿体ないと感じる部分。

英雄たちに関してはその設定から後の物語に引っ張っていく事が難しいので何かしらの形で一旦退場させる必要があるのはわかる、とは言えその退場のさせかたが雑に感じる部分が多かったんだよね。

キャタクターを退場させるときの美学ってのもあるはずで、それが出来てなかったと言うか、退場させるだけの説得力に欠けていたんだよなぁ。

天使にしても敵役にしても英雄たちの去り方にしても描写しきれなかった部分が大きかったってのが最大の問題だったのかも、Ver.7では風呂敷を広げすぎるのではなく手が届く形で物語を作り込んで欲しい所だなぁ。



そんなVer.6系で忘れていけないのは10周年記念イベントが行われた事。

特に目玉となった10周年記念クエストは特にVer.1時代のキャラクターにスポットが当てられた事もあって見どころが多かったよね。

基本的にはこれまでの各Ver.であった大型クエストの系譜ではあるんだけど初期のキャラクターにスポットを当てつつボイスなどで新しい魅力も見せているのは良かったな。

おそらくはVer.7系でも何かしら大型クエストがあるんだろうけどどのようになっていくんだろうね。

総じて感じるのは天星の英雄たちと言う物語は広げすぎた風呂敷のたたみ方で不満を感じたけれどその不満が出るのもベースとなる部分が魅力があったからこそなのはあるんだろうなぁ。