終わりゆく2016年5月5日 | ゲームを積む男

終わりゆく2016年5月5日

長くも短い連休でした。

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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカを観たんですよ、公開初日に。

キャプテンアメリカの映画シリーズ第3段でマーベル・シネマティック・ユニバースの登場人物がアベンジャーズを政府の管理下に置く法律を巡って2つに分かれて対立するのが主な内容。

「シビルウォー」と言うお話自体は原作となるアメコミにも大型イベントとして存在している内容だけどキャプテンアメリカとアイアンマンが対立すると言う構図以外はほとんど違う展開になっている感じ。

原作の方ではアイアンマンの行動が理不尽な感じがあってアメリカでもファンからヴィラン(悪役)呼ばわりされたりしたんだけど映画でのアイアンマンの行動に関してはそれなりに理解できる部分はあったりして、賛否の大きな原作の一大イベントを映画なりに解釈している感じもあるかな。

トータル時間で150分もある映画なんだけどその長さを感じさせないのは内容がつめ込まれているのもあるんだけど優れた映画でもあるとは思う、アクションとかも派手で能力的に地味なキャプテンアメリカもハイテクなアイアンマンや特殊能力を持った他のヒーローと見劣りしないのは観せ方が純粋に上手いんだと思う。

どちらかというと寡黙なタイプのヒーローが多い上にストーリー上で対立してしまっている状況からジョークとがが言えない中でゲスト的に登場したアントマンとスパイダーマンの軽口が上手く作用している感じもあってその辺りのバランス感覚も上手い。

ただ、話の内容が内容なだけにあんまり後味の良い映画じゃないんだよなぁ。

映画としては優れているんだけどストーリーに関してはかなり賛否両論になっていて「映画視聴者に寄るシビルウォーが勃発している」ってのもわかると思う。

(以下多少ネタバレあり)

個人的にシビルウォーに関する感想としては「ヒーローは登場するけれどヒーロー映画ではない」って事になるんだよな。

序盤でヴィランの行動を阻止するヒーロー物っぽいシーンがあるけれどそこでアベンジャーズ達が起こした行動がきっかけになって対立の最大の原因となる協定が結ばれる事になるし、その対立を悪化させる事をする人物も純粋な悪役ではない。

そもそもその人物がそうした行動を起こすことになる原因はアベンジャーズ側にあるからどうしたってヴィランを倒してはい解決って済むような問題にはならないし、主役であるキャプテンアメリカがすべて正しい行動を取っているわけでもない。

ヒーロー映画ってやっぱり悪役がいて紆余曲折がありつつもヒーローが困難を乗り越えるのが肝であってシビルウォーの場合はそれがかなり薄いんだから全体的なカタルシスが足りないってのは間違いなくあると思うんだよな。

ヒーロー同士が闘う部分もお互いの意思疎通が足りないのが最大の問題だし、ちゃんとお互いに意思疎通が出来ていればそもそも分断する事もなかったんじゃないか、って事を考えるとやっぱり爽快感が足りずに後味の悪さが目立つ。

本作は恐らくマーベル・シネマティック・ユニバース全体での起承転結の「転」に当たる内容で、本作から登場したブラックパンサーの単独映画やアントマンの続編をより楽しむには本作を見ておくのが重要だろうし更に(ソニーで配給される)スパイダーマン新作とかも本作のストーリーがある程度盛り込まれる形になりそう(アイアンマンの出演がほぼ確定しているから)。

この先のそれらの展開がどうなるか気になってくるからそういう意味でも優れた映画なんだろうなぁ。

ただ、ディズニーのやってる日本展開は糞だからどうしようもないね、合わなすぎる日本版オリジナルイメージソングとかいい加減にしてほしいわ。