E3の雑感
北米で開催されているE3と言うイベント、Electronic Entertainment Expoと言うのが正式名称で国際的なコンピューターゲームの見本市なのです。
日本で行なわれている東京ゲームショウ等との大きな違いは「見本市」な事で、一般の参加は基本的に不可能でコンピューターゲームの業界関係者(流通・制作者・報道関係者など)に限られている事。
コンピューターゲームの市場は北米地域が一番大きく、更にゲームソフトの開発費が高騰して一つの地域だけでは予算を回収できなくなっている現状を合わせて今後の各ゲームメーカーの戦略を占う重要なイベントという位置づけになっているのです。
そんなE3で開催されているのが大手メーカーによるメディア向け発表会や講演で、特に任天堂・SCE・マイクロソフトなどのハードメーカーが主催する物には今後の各メーカーの方向性を確かめる意味で非常に多くの注目が集まっているのです。
で、一昨日~昨日と現行の家庭用ゲーム機を発売しているメーカーの発表会が行なわれて色々な意見が出回っている頃に合わせて自分も簡潔な感想を書いてみようと思ったのです。
1.マイクロソフト(Xbox360)
北米地域が主戦場であるXbox360はその地域に向けた一大イベントであるE3に対して全力投球なのが分かるよ、昨年も非常に力が入ったイベントだったし。
ソフト的にはXbox360最大のキラーソフトであるHaloシリーズの最新作が発表された事が大きい、ゲストも大物を用意していたしゲームファンに向けてのアピールは抜群だったんじゃないかと思うのです。
凄いモーションカメラであるNatalに関しては「未来を見せている」と言った面が強く感じられた、マイクロソフトがプロモーションビデオで見せた未来が何処まで現実になるかは不明瞭だけど少なくとも任天堂に対する牽制にはなっていると思った、あとは現実を見たときに呆れられない物を作るのが重要だと思う。
ちなみに自分としてはライオットアクト2が発表されただけで十分満足なんだ。
2.任天堂(Wii/DS)
やっている事はいつもの任天堂カンファレンスと似たような事、任天堂のゲーム機がどれだけ売れたかを自慢して「ゲーム人口の拡大の為に」新たにどんな施策を打つかを紹介すると言った流れ。
やはりモーションプラスに関しては実際にプレイしないと本当に凄いのかどうかが分かりづらいのが最大の弱点だろうなぁ、これはプレゼンするのがリアルドンキーコング(北米任天堂の社長)じゃなくても一緒、Natalと違って現実に出てくる物なので既に未来じゃないのも大きいよな。
「ゲーム人口の拡大」と繰り返す事によって旧来のゲームファンが自分たちを忘れているんじゃないかと不安になっている面に関してはマリオ2作とメトロイドでカバーしようと言う考えだと思う、ただメトロイドを開発するTeam NINJAは抜け殻状態なのをみんな知っているのがネックだと思ったんだ。
ここでゴッドマンを出せばまた流れが変わったかも知れないけど彼は後から単独で出番があって登場しなかったのがインパクトを弱める結果だったのかも知れない。
3.SCE(PS3/PSP)
PSP Goの値段の高さには閉口、若干卑猥な形をしたモーションコントロール棒と言う悪夢に唖然。
ただ、ソフトに関しては地道な努力が実を結んできた感じがして良い感じなのです、自社タイトルの「GOD OF WAR3」とか「The Last Guardian」とか、「グランツーリスモPSP」とかを用意できたのが大きなアピールポイントだったと思う。
PS3の値下げなりモデルチェンジなりを発表しなかったのは吉と出るか凶と出るかは不明、大型タイトルだけで十分に戦えるポテンシャルはあるだろうし下手に値下げを行なって消耗戦に突入しても資本のある他2社に対抗できると思えないので賢明な選択だとは思います。
「FF14」に関しては日本人に向けた発表じゃないかと思ったのです、今の世の中にMMOの需要がどれだけあるかは未知数だしそもそもWindows版も出るのだからPS3を引っ張る意味合いは弱いと思うんだ、けどPS3で出るFFは13だけじゃないと言う事をアピール出来たのはポイントじゃないかと思ったんだ。
…と、言う訳。
ゲームファン達の評価はMS≧SCE>>>任天堂 と言う感じになっている見たいですが、個人的には各メーカーにそこまで大きな差は感じなかった所、夢か現実かの違いがあるので。
それよりもマイクロソフトやSCEがモーションコントロールに関する発表を行なったのが印象的なのです、任天堂の独壇場で外付け周辺機器がどれだけ頑張れるのか、そして既に3年近くノウハウを蓄積してきた任天堂はどんな対抗策を出してくるかがこれからの注目になると思った訳です。
何よりも面白いゲームが沢山出てくる事を期待したいですね。