電波時計を3つ持っていますが、室内に電波が届かないため、放っておくと正確な時刻より1分も進んでしまいます。たまに、時刻合わせのために時計を窓や物干しに吊るしてみても、受信に成功する確率は低かったです。
市販の電波発生機は高価なため、マイコンESP32で時刻信号を出せないかと調べたところ、参考になる情報はあるものの、そのまま真似するだけ、というものが見つかりませんでした。
自分が作りたいもの 条件
・「弱い電波を受信&増幅」ではなく、時刻信号を発生させる。
・ESP32を使用。
・プログラムはArduino IDEで作成。
・部品点数はなるべく少なく。
・電波法違反にならないよう、電波が弱いもの
↓
ネットの情報を見比べた結果、
波形発生器( AD9833 ) と ESP32 でサイン波を発生させ、電波時計を合わせる実験
を基本形とさせていただき、下記のように変更しました。
ハードウェアの変更点:
・増幅回路を無しにしました。
・LEDを、ESP32に直結する形で追加。
(必須ではありません。ツー、ツー、ツー、トン、というような
信号が目視できたほうがいい、というだけです。)
プログラムの変更点:
アンテナ
無線の知識がなく、最適な形状・サイズ・銅線の線径などをネットで調べようとしたのですが、「40kHzという低い周波数で、送信用アンテナ」 についての情報が少ないです。ループアンテナの場合は、直径が大きく・巻数を多く・電流を多く するほど電波を強くできるらしい と、何となく理解しました。
CQ出版社の本(受信&増幅タイプのJJYリピータ製作方法あり)で
ループアンテナは直径0.28ぐらいの銅線を30回巻き
とのことから、次のような仕様で製作することにしました。
・形状はループアンテナ。
・エナメル線の線径は0.3mm以上。
今回は、ホームセンターで「ELPA エナメル線 10m PP-07NH」 を2つ買い、接続して20mにしました。子供向けのような商品で、からまったり、結び目ができそうなのをほどきながら作業するのが大変でした。ちゃんとしたリール売りのエナメル線を使うほうが手間がかからないです。
完成写真
私はオシロスコープを持っていません。正弦波にノイズが乗っているかどうか定かではないのですが、コンデンサを使わなくても正常に動作しました。
性能テスト
電波時計の「受信」ボタンを押して、アンテナに近づけたり離したりしながらテストしてみました。
アンテナとの距離
50cm→受信強度のマーク4つの内1つしか点灯せず、ほとんど受信できていない。
30cm→4つ点灯(波型の「====」)、受信できている。
電波時計の電池をいったん外して、「1月1日 0時00分」 にリセットしてから受信すると、日付・時刻とも自動で補正されることが確認できました。
(参考)電波の強さについて
電波法:3m離れた時の電界強度 0.005V/m以下。
私が持っている電磁波測定器は1V/m単位でしか測定できず、対象周波数を選ぶこともできません。周波数40kHzの電磁波を0.001V単位で測定できる高価な測定器を所有していないため、今回製作したものが本当に電波法違反でないのか、確認できていません。常時稼働させるのは、やめておきます。