もう指を使わないと、
あれから何年なのだかわからなくなってきた。
2011年だから、今年で丸8年。
夏がきて、9年目。
今年の1月に、
タモキシフェンの服用をどうするか、診察で話をした。
幸い大きな副作用もないので、
できればもう少し継続したいとお伝えし、
あっさりOKをいただけた。
なので変わらず3ヶ月に一度の受診。
いまもわたしの胸には、
直線で四角く放射線の痕がくっきりと残っている。
癒着した引き攣れもそのまんま。
でも8年経ったんだという事実は、
相当に感慨深い。
周囲はもう忘れているだろうけれど、
でもわたしのなかのどこかで、
どんなに小さくなったとしても、
いまも鮮明な記憶はすぐに取り出せる。
それがわたしにとっての乳がん。
1年先のことも考えられなかった。
けれどこうして8年も過ごしてこれたこと。
8年という時間と、
いまもすぐそこにある記憶がないまぜになって、
不思議な感覚になることがある。
ヒトより長く生きられる気がしない。
けれど、再発する気はさらさらない。
なんだかこの表現が、
いまのわたしのこころのなかを表すのにいちばん合っているような、
そんな気がする。
この先の人生が穏やかなものでありますように。