6年目をむかえて | QOL ~Quality of Life~

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日々のいろいろ、仕事、乳がん。
でも、より良い人生のために。
毎日笑って、生きていこう。

7月も半ば。

すいぶん長いこと、ブログから離れていました。

みんなみんな元気かな、

それはずっと思っていたけどね。


前回のブログを更新した翌日の朝、

隣のマンションに住む、

娘の同級生のママの訃報を知りました。

癌でした。

お通夜で、制服姿で気丈に挨拶をして回る娘のお友達。

一人娘の成長をこの先もどんなに見たかっただろう。

涙が止まりませんでした。


悲しいことから逃げる無意識の本能なのかもしれません。

知った人に会うのもいやで、

テレビを見るのもいやになって。

繁忙期に入った仕事に没頭したことと、

いくつかのセミナーに参加し、

新しい人と知り合ったりする機会があったり、

日常のいろいろをちょうどよく離れた一ヶ月でした。


7月8日。

2011年にがんの告知を受けてから今年で5年になりました。

5年。

あの頃、5年先なんて全く考えられなかった。

でもこうして5年後を迎えることができて、

胸がいっぱいになると同時に、

あの時から今日まで、時間がつながっていたことに、

小さな感動を覚え、

やはり感慨深い気持ちになりました。


もちろん忘れることはできない。

裸になって鏡を見るたび、

胸元からいまだに消えない放射線の痕が見えるたび、

癌になった、という事実とはずっとこの先も共存していくのだなあと思う。

でも間違いなく、

いまのわたしはかつてのわたしより、

人生が豊かであると思う。

いつのわたしよりずっと、自分のことが好きだと思う。


いちばんはっきりと、

病気後変わったこと。

人と自分を比べなくなった。

そうしたら本当に本当に、生きやすくなった。

自分が育った家庭のこと、

いま現在完全に縁が切れている実母のこと、

すべて受け入れて認めることができたとき、

たくさんのしがらみから解き放たれて、

気持ちがすごくすごく軽くなった。

わたしの選択は、

人が見たら意見したくなることもあるかもしれない。

でもいいのだ、これがわたしの最上の選択なのだ。

誰になんて言われてもそれはぶれない。

そう思ったときに、

自分のなかの旅がひとつ終わった気がしました。


つい先日、あるセミナーで、

同じテーブルになった人に、

一日一緒にセミナーを過ごしたあと、

「君は無謀な人だねえ」と言われました。

一瞬、バカにされているのかしら??と思い、

戸惑った顔をしたところ、

周りからの評価と、自分の自分に対する評価と、

どっちが大切?と聞かれました。

それは即答です、自分の自分に対する評価です、

そう答えたところ、

嬉しそうにその人は笑って、

今の社会では周りからの評価より、

自分のあるべき姿を優先するのは無謀なんだよ、

みんな人の顔色ばかり見て暮らしている。

でもね、とその人は続け、

自分のありたい姿を大切にすると、

人にもそれぞれ理想や思いみたいなものあるとことが理解できて、

そうすると我を通すだけじゃなくて、

人に対する思いやりみたいなものが芽生えてくるんだよ。

それでいいんだよ、と最後に言ってくれました。

あとから名刺を見返したら、

大きな組織の日本の代表をしている人でした。

告知から5年と2日めの日の、

ご褒美のような言葉でした。

そうだ、わたしはこれでいいのだ。

わたしはわたしらしく、気持よく生きていこう。


ブログもちゃんと書こう(笑)



最後に。

5年前、この時期。

告知から手術までの間の苦しかった毎日。

毎日思い続けたこと。

わたしに余命があるなら、

必ず人の役に立つ生き方をしたい。

忘れてはいません。

以前よりも強く、そう思っています。


がんばろう。