10年前の今日。
娘が生まれた日。
妊娠中期から、
ずっと逆子が戻らなかった娘。
いつもわたしの胸のすぐ下にゴツっと頭があり、
そのふくらみを撫でて過ごした。
36週目の検診の日、
エコーの結果、
へその緒が巻き付いた足が、
産道に入ってしまっている、
足があとわずかでも下に下がったら、
お腹のなかで死んでしまう、
一刻を争う状態、と言われ、
小さなバックひとつで、
一人で検診に来ていたわたしは、
信じられない思いでその言葉を聞いた。
麻酔がほとんど効かなかったなか、
ただただ、
無事で生まれてきてくれたら、
それだけでいい、
元気であれば、
この先何も望まないから、
どうかこの願いを叶えてください、と、
それだけをひたすら思って、
痛みに耐えた。
今日で10歳。
今日、あなたが怪我をして、
元気であれば、
それだけでいいと、
10年前思ったことを、
まるで何かの力が、
今日という日に思い出させてくれたような気がした。
痛かったね。
でも頑張ったね。
心臓が止まるかと思ったよ。
元気で健康でいてくれさえしたら、
本当にそれだけでいい。
10歳、おめでとう。
いつまでもあなたの成長を見ていられますように。
楽しいことと同じくらい、
次の10年間には、
悩むこともあるかもしれない。
いつでも力を貸せるように、
わたしは少し後ろで見ているから。
おめでとう。
生まれてきてくれて、
わたしの娘に生まれてきてくれて、
本当に本当に、
ありがとう。