葉書が届いた。
宛名は、わたし。
差出人は、娘。
何故、娘から葉書が?
文面を目で追って、すぐに、ああ、と言葉が出た。
そして、涙が出た。
1年前、娘が書いた葉書 を、
今日、受け取った。
1年前、
全25回の放射線が、
もうじき終わる、というとき。
メンタル面が、ガタガタに崩れていたなか、
抗がん剤治療をするか否かで、
更に、どんどん追い詰められていくような毎日だった。
娘が寝たあと、夫に留守を頼み、
抗がん剤について書かれた本を持って、
夜、近所のスタバに足を運んだりした。
ページをめくる手を休めては、
ガラスの向こうを歩く同年代の女性を見て、
あの人とわたしの、
一体なにが違うのだろうと、
思っては涙がいくらでも出た。
自分の病理結果がより理解できるにつれて、
不安や恐怖心は、
どんどん大きくなっていった。
5年生存率の数字が頭から離れなかった。
わたしにはあとどれくらい、
未来があるのだろう。
娘の成長を、
いつまで見ることができるのだろう。
笑うことがほとんど出来なかった毎日のなかで、
娘の天真爛漫さだけが、救いだった。
その娘が、出した、
1年後のわたしへの葉書。
1年前、それを聞いたとき、
頭をガンと殴られたような思いだった。
1年後に、わたしが存在すると疑わずに、
葉書を書いた娘。
告知前後から、景色から色がなくなり、
時計が止まり、
将来のことが全く考えられなくなっていたわたしに、
「1年後に届くんだよう、すごいでしょう!ねえママ楽しみ?」
と、まとわりついて嬉しそうだった娘。
その出来事があって、
どんなにわたしが救われたか、
いつか娘に話そうと思う。
5年後、10年後のことは考えられない。
でも、1年後、
その葉書が届くまで、取りあえず頑張るよ。
そう思った、1年前。
そして、今日。
2012年10月15日
ありがとう。
こうして元気で葉書を受け取ったよ。
ママ、こううんだった。
ありがとう、
ありがとうね。
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