8月1日、
八朔、夏のてっぺん。
昨日が、入院記念日なら、
今日は、手術記念日。
1年前の今日、
外来が始まる前に、
センター長が、わたしの部屋をノックした。
気分はどう?というような雑談のあと、
「もう一度、確認させてね、迷いはない?」
手術中に、温存か全摘か決まる、
それをもう一度確認したいと言った。
大丈夫です、
最善を望むので、迷いはないです。
よろしくお願いしますと頭を下げた。
最後に、白衣のポケットから、
サインペンを取り出し、
わたしの術側の手である右手の甲に、
ぐるっと、丸い印をつけた。
太くぐいっと描かれた印を見たら、
ああ、もう、後戻り出来ないんだなぁと思った。
手術が終わり、
完全に意識が戻るまでの間のことは、
切れぎれにしか覚えていない。
やたら間延びした自分の声がおかしかった。
覚醒して、第一声に何を言ったのかを思い出した。
「温存ですか、全摘ですか」
はっきり意識が戻らないなかでも、
それがいちばん聞きたいことだったんだなと思ったら、
少し泣けた。
手術の日の夜の長さは、
半端じゃなかった。
手術後の痛みは少なかったものの、
まあ、腰の痛いこと痛いこと痛いこと(涙)
もう、腰が痛すぎて、
頭がおかしくなるかと思ったほどだ。
もう一生、夜のまんまなんじゃないかと、
何べん思ったかわからない。
カーテンの向こうが明るくなってきたとき、
嬉しくて、また涙が出た。
もう、このおっぱいと、
1年のお付き合いになるんだなぁ。
相変わらずひしゃげて、
明後日のほうを向いちゃってるけれど、
いつの間にか、柔らかさも増して、
皮膚の感覚も、かなり戻ってきてるみたい。
1年後には、きっと、
もう少し良くなっているのかも。
ロンドンオリンピックを毎日、観ている。
試合後のインタビューで、
「あきらめなかった」
「自分を信じてやってきた」
メダリストからも、
メダルを逃した選手からも、
何度か、そんな言葉を聞いた。
生まれて初めて、
そういう言葉が、すっと心に入ってくる。
よく、スポーツ選手が、
夢と希望を与えたい、と言う。
いままではあまりピンとこなかったけれど、
今回、何を見ても、
夢と希望と感動だらけで、
涙が出て出て困る。
ホルモンバランスが崩れているばかりじゃないな(笑)
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