TC療法10日目。
熱は上がったり下がったり。
あと数日で、脱毛が始まる。
ウイッグもキャップも用意した。
なのに全然実感できない。
モノゴコロついたときから、髪はいままでずっと、大きなコンプレックスだった。
多い、硬い、クセ毛。
その多さたるや、もうすごい量らしい。
数年前、美容室で、わたしの髪を触って驚いた若いアシスタントの女の子に、
「多いでしょう、いままでのお客さんのなかでいちばん髪が多いですって、これまで10人くらいの美容師さんに言われたのよー」と言ったら、
「じゃあ、わたしで11人目ですね」と、目を丸くして言っていた。
そんな髪だから、したい髪型もできないことのほうが多かったし、
「重さで落ち着かせないと、もうどうしようもできませんっ」と、
ここ10年は、大量にすいてもらってはいたけれど、背中の真ん中くらいまでの長さにしていた。
それでもひとつに結うと、とんでもない太さになり、お団子をつくれば巨大団子が出来た。
シャンプーは「超しっとり」、トリートメントも「超まとまる」を欠かさず、
乾かすだけで20分、ブロウまでしたら30分、毎晩お風呂のあとは一大事業、
新しいヘアケア商品が出れば、即試してみる、本当に手のかかる髪だった。
ついでに言うと、まつげの多さと長さも、いつも驚かれる。
「うらやましい!」と言われるたびに、
いらない毛もすっごいんですよ!(/TДT)/ と、心の中で叫んできた
告知前後、化学療法はどうなるかはわからないけれど、入院は間違いないのだから、と、
背中までの髪を、思い切って、顎まで切り揃えた。
重さで落ち着かせることができない新しい苦労はあったけれど、
大量の髪がなくなった開放感や、新しい自分を発見し、嬉しかった。
長年わたしの髪を切ってくれている美容師さんも、とても喜んでくれ、
デジパーかけてみましょうよ!なんて言われて、その気になっていたときに、まさかの化学療法。
もうあと3~4日で、髪が抜ける。
本当にコンプレックスだったけれど。
やっぱり、わたしは泣くだろう。
でも絶対、泣き続けることはしない。
泣くだけ泣いて気が済んだら、ウイッグをかぶるのだ。
『人間は、経験を積むために生きているのだ』
そうか、じゃあ、積むしかあるまい()
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