告知前、「お願いだから絶対約束して」と、主人にお願いした。
どんなに悪い結果だったとしても、必ずわたしに伝えてほしい、と。
面談日を設定したとき、「ご家族も一緒に話を聞いてほしい」と看護師さんから話があった。
告知→家族を連れていく→本人に内緒で悪い話...。
瞬時にそう連想してしまったら、看護師さんに笑われてしまった。
うちは、本人に告知しますよ、と。
でもね、と、話は続き、
家族の協力はとても必要なこと、悪性だった場合、患者の家族にも、現状を医療従事者の立場から、きちんと説明したいと思っていること。
そう説明したあとで、「正直にいうと、もしあまり良くない結果だった場合に、ひとりで帰したくない、というのもあるんだ...」と言われ、少し気持ちのこわばりが溶けた。
そうか。
きちんと一緒に話を聞いてもらうメリットは、想像以上に大きいのだな。
そう思い、主人に同席してもらうことにしたけれど、その頃、精神的不安定のピークだったので、泣きながら「約束してほしい」と、冒頭のようにお願いした。
告知って、どういう風にされるのだろう。
お医者さんが椅子をくるっと回転させて、「気を確かに聞いてください」とメガネをきらーんと光らせて、淡々と言うのだろうか。
わたしは泣くのだろうか。
土壇場で検査結果が、「間違いでした~」とひっくり返ることはあり得ない、と確信していたので、癌です、と正式に告知され、自分はまずなにを思うんだろう、というようなことを考えたりした。
そして、当日。
名前を呼ばれて、診察室へ。
挨拶ののち、主人です、と紹介し、椅子を勧められて、座ったか座らないかで、先生がおもむろに、
「ごめんなさいねえ、癌、出ちゃいました」
あらあ、そうですか、出ちゃいましたか~...。
....出ちゃいました
出ちゃいましたって
何が出たって
一瞬頭が大混乱するけれど、先生の言葉はまだ続いており、
「ごめんなさいねえ、癌、出ちゃいました、でね、今日は、今後の...※◎△仝...」
こんな感じの告知でした( ̄□ ̄;)!!
ちょ、ちょっと待って、先生、いまなんて言った?
あたし、癌で宜しいんですよね?!というような、さらさらさらさら~っとした告知でしたが、そういう形で聞けて良かったと、後からとても感謝しました。
重々しく告げられたりしたら、わたしは嫌だったかも。
わたしのステージ、癌の顔付き、今後の治療の流れ、入院・手術について。
1時間ほど話をし、手術に必要な検査を受けて帰る。
癌だった。
3つもあった。
しかも、小さな癌もいっぱい。
でも、進む方向へ、道がバーッと開けた。
帰り道は、そんなスッキリした気分だった。
その日はね(笑)
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